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私のカメラ履歴(銀塩カメラ) [趣味とこだわり]

 私の趣味の一つは、カメラです。
(何故か写真ではなく、写真を撮るための道具に過ぎないカメラが趣味だったりします。)

 

 最初にカメラにさわったのは約30年前、父の持っていた一眼レフCANON FT QLです。

 CANON FT QL

  このカメラは、CANONが名機F-1を出す前の機種で、当然自動露出もオートフォーカスもありません。
 露出計を頼りに絞りとシャッター速度選ぶと、同じ露出値なのにも関わらずボケ方や被写体ブレなどが変わり、違う写真となるのが面白く、直ぐに夢中になりました。

 

 そして次にさわったカメラが、6×6(6cm×6cmの撮影サイズ:ブローニフィルム)サイズ2眼レフのmamiya C330プロフェッショナル。

 マミヤ C330Professional f

 このカメラは衝撃的でした!
 撮影用のレンズとピント確認用のレンズの計2つのレンズがあり、下部のピント調整用のノブを回すと蛇腹繰り出しで2つのレンズが平行移動し、焦点を調整。
 そして、ピント確認用のレンズが焦点像を投影するスクリーンは、何と「磨りガラス」
それを遮光板の上から直接のぞき込んでピントを確認するカメラでした。
 「カメラとは何なのか?」、「写真を撮るとはどういう事なのか?」を考えさせてくれる、本当によい教材でした。


 幸いなことに家にはオヤジが使っていた引き延ばし機があり、
いつの間にか押し入れを暗室とし、暗室用の黄色い電球をぶら下げて、引き延ばし作業までするようになりました。

 どうも凝り性の気があったみたいで、ブリントに使っていた印画紙を使い、厚紙で作ったピンホールカメラや、虫眼鏡のレンズを使った虫眼鏡カメラにもチャレンジしました。
(いずれも満足できる出来ではありませんでしたが、一応写りました。これも一つの感動です!)

 

  ここまで読んで気がつかれたかと思いますが、私の志向はあくまでも「機材としての写真機」や「写真の仕組み(化学的な)」であり、いわゆる写真(撮影術)ではありませんでした。(私も最近気がつきました)

 

 高校生になり、父がカメラを同じくCANONのAE-1 Programに買い換え、父が使わないときにちょくちょく借りて使うようになりました。

  CANON AE-1 Program

 

 そして、最初に自分で買ったカメラがオリンパスXA。

オリンパス XA

 バリア式のレンズカバーがついたコンパクト機で、当時主流のパンフォーカス(焦点固定:写るんですと同じ)でも、目測式のピント調整(ゾーンフォーカス)ではなく、二重像合致式の焦点調整機能を備え(時代はオートフォーカス以前です)、
露出調整もいわゆるバカチョンではなく、「絞り優先のEE(自動露出調整)」で絞りとシャッター速度の組み合わせを自由に選ぶことが出来る優れものでした。
(このカメラを選んだあたり、「蘊蓄(うんちく)たいせい」の面目躍如と言ったところでしょうか? )

 

 このカメラで大きく変わったのが「写真観」。
 オリンパスXAは、「どんな高級なカメラでも、その場になければ写真は撮れない!」との設計者の主張が感じられるカメラで、
スナップ写真などの、「人間の写真」の楽しさに目覚めてしまいました。

(とは言っても、ファインダーから覗くフォーカシングスクリーンに投影されたままがフィルムに写る一眼レフの操作感と、シャッター音をはじめとしたカメラを操作しているという質感が好きで、ここぞと言うときにはやはりAE-1。レンズを何本も持って、重い荷物で写真を撮るのが習い性でしたが....。)

 

 20歳になり山登りに目覚めたときにも、また一つの転機がありました。

 山を始めた最初の頃は、AE-1と交換レンズを何本か背負ってそれなりにこだわって写真を撮っていましたが、山の景観は雄大で、とても35mmのフィルムに切り取る事なんて出来ませんでした。
(下山後友人に見せると、それでも素晴らしい景観だとの評価。しかし現物はこんな物ではないと、フラストレーションは溜まる一方でした。:もちろんこれは私の腕の至らなさによる物ですが。)

 ある時開き直ったのは、
「どうせ風景の写真を撮っても、それ以上に素晴らしかった実際の山岳展望の足元にも及ばないのであれば、もう山岳写真を撮る事はやめよう。」
「記憶に残る山岳展望に思いを馳せたいのならば、脳みその襞に刻み込まれた記憶を呼び戻せばよく、もし思い出せなくなった時には、もう一度登ればよい!」と言う事です。

 それよりも、「人」の写真は、集合写真であれ、スナップ写真であれ、山での写真は、街中で撮影した写真よりも遙かに表情が生き生きとして、後で見ても微笑ましく、苦しく・楽しかった山行の記憶をありありと思い出させてくれ、
「カメラを持って行って良かった!」と、心から思う事が出来る写真が、何枚もあること気ががつきました。

 そして、最初に買ったカメラ「オリンパスXA」の「どこにでも持って行けて、いつでも取り出すことの出来るカメラ」の価値を改めて考えるに至り、Nikon ピカイチカリブ(3m防水)L35AWLや、PENTAX ZOOM90WR(生活防水カメラ)などの防水コンパクトカメラを買って、山登りに持ってゆくようになりました。
(ここでは書きませんが、それぞれがまた良く出来たカメラで、特にピカイチカリブはシュノーケリングのお供としてもよく遊びました。)

 Nikon ピカイチカリブL35AWL
 PENTAX ZOOM90WR

  ピカイチカリブ 若狭湾です

 

 そして、何台かのカメラを遍歴して、最後に買ったフィルムカメラが、CANON の初代IXYでした。(デジタルではありませんのであしからず....。)

 CANON IXY(初代)

 このカメラは防水カメラではありませんが、登山時にウエストポーチに入り(防水袋に入れて)、登山行動中いつでもポーチやボケットから取り出して写真を撮れ、とても小さくパッキングもしやすく、
その後もかなりの期間、このカメラばかり愛用していたことが、昨日のことのように思いおこされます。


 

 こうして記事を書いていると、いずれのカメラにも思い入れがあり、数々のエピソードが頭に浮かびます。

 今は、フィルムで写真を撮ることはほとんど皆無になりましたが、「精密機械の操作をしているという実感の感じられるカメラ」、そして「各社各様で設計思想や、設計者の顔が垣間見られるカメラ」と言う物に、どこか強い郷愁を感じています。

 技術の進歩を否定するわけではありませんが、また防湿ケースの中のAE-1とレンズを取り出して、
「本当の写真を撮りたいなあぁー!」と思う今日この頃です。
(オリンパスXAも、中古やジャンク品を見つけたら思わず買ってしまいそうです。)

 

 ※※※ デジカメとの出会い(仮題)に続きます(何とか今月中には....。) ※※※


 

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(資料)
FTQL
http://www.canon.co.jp/Camera-muse/camera/film/1955-1969/data/1966_ftql.html

mamiya-c330-professional-f
http://www.mamiya-op.co.jp/home/camera/museum/saishu-page/1970/mamiya-c330-professional-f.htm

 AE-1プログラム
http://www.canon.co.jp/Camera-muse/camera/film/1976-1986/data/1981_ae-1pro.html

 Nikon ピカイチカリブ(3m防水)L35AWL
http://www11.plala.or.jp/minokan/nikon/nikon%20l35awad.html

 私のカメラ紹介、アサヒペンタックスズーム90WR
http://www1.ocn.ne.jp/~uenolog/camera/03page.html

 The Classic Camera オリンパスXAシリーズ
http://www.cosmonet.org/camera/olympus_xa.html

 


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コメント 10

アキラ

父は新聞記者でしたので、カメラにも相当造詣が深く、色々なカメラを持っていました。
懐かしいカメラをいくつも見せていただきました。
ありがとうございます。

九州の家にあったカメラ・・・今はどこにあるんだろう?
by アキラ (2007-01-17 19:06) 

私は最近撮ることに非常に興味があります。カメラの操作方法や機械の操作方法はいまいち良く解っていなかったりします。

感性で撮っています。
我流とも言いますが。
by (2007-01-18 10:41) 

たいせい

 アキラさん、nice!&コメントありがとうございます。
 我が家でも倉庫の隅を探し回れば、埃をかぶったこれらのカメラや引き延ばし機が、沢山出てくるのはないかと思います。
 本文でも書きましたが、昔のカメラは「職人が作った精密機械としての存在感」や、「メーカーや設計者の意図なり思い入れ」が、なにやら刻み込まれていたように感じています。

 もっと短い記事のつもりだったのですが、書き出したらこんなに長くなり自分でもビックリしました。
 自己満足で書いたこの記事に最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
by たいせい (2007-01-18 13:21) 

たいせい

 STEALTHさん、BLOGの写真毎回楽しみには意見させていただいています。(なかなかコメントできず、申し訳ありません)

 私の場合撮影の方は、「人」が主体の「数打ちゃあたる方式」の撮影術が基本です。
 「人」といっても、若い女の子ならば気が利いているのですが、目下のところ子供達専門。
 ハッとする表情を捕まえようとすると、瞬間を切り取らねば成らず、枚数命の今日この頃です。
(デジカメは何枚撮ってもフィルム代がかからないのが良いですね....。)

 nice!&コメントありがとうございました!
by たいせい (2007-01-18 13:30) 

nina

私はニコンF801・FM2ときて今はデジカメばかりです。
フィルム代や現像代を考えなくて良いし、すぐにパソコンに取り込めるのでFM2は使わなくなりましたが・・・・・今でも一番欲しいのはF3だったりします。
二眼のはカッコいいですね〜。
仕事でフジの6×7までは使った事がありますが(機種名は忘れました。完全手動の、内臓露出計も何も付いてないやつです)、二眼はカメラ屋さんで触った事があるくらいですね。
それでじっくりと風景でも撮ってみたいものです。
by nina (2007-01-23 01:20) 

たいせい

 ninaさん、私はいまだにAE-1に言いしれぬ愛着を持っています。
(デジカメで一眼レフを買うまで、ここぞという写真はあえてマニュアルフォーカスのこのカメラをかついで、出かけてもいましたので....。)
 私の場合は、オートフォーカス化が始まってからレンズの描写力が落ちたように感じ(身の回りでさわるカメラは普及型レンズしかついていなかったからかも?)、またズームレンズの描写力が今ひとつ納得いかなかったこともあり、オートフォーカスの世界には生きませんでしたが、F3が欲しい気持ちもよく解ります。

 私もまたマニュアルレンズを中古で集めて探して(単焦点がいいなぁー)、またAE-1を防湿ケースから引っ張り出そうかな!?

 nice!&コメント、ありがとうございました。
by たいせい (2007-01-23 09:29) 

まさ

たいせいさんは本格的ですね。
私も子供の頃の父親の影響でカメラに興味を持っていますし、今もカメラを持ち歩いたりしています。
子供の頃、大阪万博で父親と一緒に写真を撮りまくっていました。
自分で始めて買ったカメラはキャノンの「オートボーイ」でした。
当時はコンパクトなバカチョンカメラが流行っていたように覚えています。
しかし、使っていると一眼レフカメラが欲しくなり、25年ぐらい前にペンタックスの「スーパーA」を購入しました。キャノンにしようか迷ったのですが、私の手にぴったり来る感じだったのが決めてになりました。
キャノンは、私には少し大きい感じがします。
私はめんどくさがりな性格なので、マクロも使える28~84㎜ズームを一番使用しています。
2台目もペンタックスの「LX」を購入しました。
このカメラは、機械式シャッターなので全くのマニュアルで使えますし、密閉度が良いのも気に入っています。
一時、コンパクトデジカメに嵌ったのですが、結局はフィルムカメラに戻ってしまいました。
デジカメ、オートフォーカスが当然の時代に今も使っているのは「LX」です。
私は自分で現像まで出来ないので店に出しますが、できあがりを見るのはいつもドキドキします。
by まさ (2007-01-30 10:15) 

たいせい

 まささん、カメラというと皆さん某かの思い出とつながる物を持っていらっしゃるようですね。
 自己満足だと思って書いたこの記事に、まささんを始めこれほど多くのコメントを寄せていただけるなんて、思っても見ませんでした。
 今使っているデジタルの一眼レフについてもそうなのですが、今のカメラは、これほどの思い入れが出来、蘊蓄が語れる「道具」ではなくなっているような気がします。
 コメント、ありがとうございました!!
by たいせい (2007-01-30 15:29) 

こう

凄いラインナップですね。
カメラが本当に好きなのは分かりますが、やはり撮るのもお好きなのが分かりました。
贅沢かどうか分かりませんが、フィルムカメラはハーフサイズのカメラを少し使った後は、F-1をずーっと使っていました。
中学の時にカメラ研究会にいましたので、現像して遊んでいました。
一枚の写真への思い入れがたくさんありました。
by こう (2008-05-28 12:17) 

たいせい

 こうさん、カメラは写真を撮るための道具だとの認識は持っていますので、その時々の写したいものによって機材も変遷しています。
 昔のカメラは古い写真を見てもその時々の情景などを想い出すことが出来ますが、今のカメラでは到底そこまでの思い入れが出来なくなりました。
 やはり設計者なりカメラ職人の息吹が感じられる機材には思い入れを感じ、また使ってみたくなります。

 nice! &コメント、ありがとうございました!
by たいせい (2008-05-28 18:09) 

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