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建築デザインという仕事!(一部修正いたしました) [屋根には「瓦」]

 先週お会いした方に、大きな刺激をいただきました。

 地方の小都市で、建築デザインを主体とした付加価値のある仕事を成立させていらっしゃる方でした。

    Ishikawa Design Office 石川設計 - livedoor Blog(ブログ)
    http://blog.livedoor.jp/ishikawasekkei/

 

 大都市圏であれば様々な職域の方がいらっしゃり、付加価値としてデザインを中心に据えていらっしゃる方も中にはいらっしゃる人もいるのでしょうが、その方が仕事をしていらっしゃるのは大都市圏ではなく、とある地方の10万人強の小都市です。(その地方の中核都市ではありますが、周辺をあわせて15万から20万人の商圏。)

 またいわゆる地域間格差で新築工事が激減して、既存の建築関連業者が到底昨年並みの仕事量を確保できず施工単価も目に見えて落ち込んでいる地域のど真ん中で、昨年実際に5棟もの新築工事のデザイン&プロデュースを、自らのお施主に対する営業活動や口コミによって直接受注されているそうです。


 その方の最大の武器は、「デザイン力」。

 うちのお客様である屋根工事店を通して、その方がデザインされた建物の写真を何度か見させていただいたことがありますが、素晴らしいセンスを垣間見させていただいており一度お会いしたいと思っていました。

 自らの仕事は「建築に関するプロデュース」であり、如何にデザインをコーディネートし各職域の信頼のおけるプロに振り分け一緒に仕事を進めていくかがポイントである旨、熱く語っていらっしゃいました。

 また工事の監理も、デザインと建物について最終的な責任を持つと言う姿勢で真摯に行っていらっしゃるそうです。

 現場では各職域の施工店が責任を持って施工を進めてほしいという観点から、施工店それぞれお施主様との個別契約という形をとり、支払いについては責任を持って行うという姿勢を貫かれてもいるそうです。


 起業に当たっては、何の後ろ盾や営業基盤もなく飛び込みによって仕事を一軒一軒掘り起こされたそうです。

 そしてその後は、高い評価をいただいた建て主さんの口コミで安定基調に乗るようになったと仰っていました。

 現在は大手ハウスメーカーや格安の地域ビルダーの全盛期ともいえますが、それをものともしないだけの付加価値と信頼性の提示とが出来ていると言うことだと思います。

 

 建築業界では、坪単価の安い家が正しく、こだわり住宅の余地はほとんど無いかのような印象が蔓延していますが、実際には不景気に沈む地方都市でもこんな仕事が成り立つ素地が生まれつつあり、世の中の流れが少しずつでも変わり始めてきているように感じました。


 お施主様は低コストばかりを求めているわけではなく、「こだわり」や「付加価値」を求める層はかつてよりも厚くなっているのではないでしょうか?

(当然の事ながら、「こだわり=高コスト」という図式で考えているわけではなく、ポイントは予算の中での「こだわり」や「個性」です)

 

 なお「屋根は、瓦が好きだ!」と仰っていたことを、申し添えさせていただきます。

 

PS.
 その方を中心とする各職域の業者が集まった会(弊社のお客様の屋根工事店社長のお誘いです)に、飛び入り参加させていただきました。

 鴨鍋はとても美味しかったです。

 

PS2.
 記事を若干修正いたしました。(2/13)

 

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macoto

こういう話を伺うと
頑張る力になります。
by macoto (2008-02-13 09:00) 

toyo

そうですか!私も興味あるのでその方のブログを拝見させていただこうと思います。四国にも山本様(和幸建装)という方が似たようなスタンスで頑張っていらっしゃるらしいですが・・・。
その業界にどっぷり漬かってしまうと、いつの間にか非常識が常識になってしまう悪弊に気づかないでいることが多々ありますが、その方のようなスタンスですと、かえってお客様本位のいい仕事ができるのではと思います。プロデュサーというかコーディネイターというか建築分野では新業種?ですね。刺激的な記事で参考になります。ありがとうございました。
by toyo (2008-02-13 09:10) 

アキラ

デザイナーを名乗りながら、建築士としても仕事をしている方の、なんと融通の利かないことか?
いつも、ジレンマに悩まされて仕事をしています。

私の義理の息子も、照明・店舗のデザイナーですが、素晴らしい感性の持ち主ですので、住宅のデザイナーとしても育ってもらいたいと思っています。
しかし、何分にも私の仕事量が少なすぎて、私が育てるまでに至りません。
by アキラ (2008-02-13 11:23) 

たいせい

 macotoさん、出張で各地に行くと地方地方でなにがしかの刺激をいただける方に巡り会えることがあります。
 やもすると、仕事の話は「景気が悪いねー」とますます元気のでなくなる話に終始することが多く、この種の巡り会いは自分自身の元気の素にもなっています。

 nice! &コメント、ありがとうございます!
by たいせい (2008-02-13 13:12) 

たいせい

 toyoさん、お客様などとこんな話をしていると「付加価値」ということを深く考えさせられることが良くあります。
 どこに頼んでも基本は同じだと思っているから価格での評価になるのであって、違いを明らかにし勇気を持って進むことが(こんな事はお施主は解ってくれないと諦めるのではなく。)王道なのではないか?と思うようになっています。
 まだまだ道は遠いですが、うちの会社もその道で生きてゆきたい...。

 nice! &コメント、ありがとうございました!
by たいせい (2008-02-13 13:19) 

たいせい

 アキラさん、この方面は自分の専門分野ではないから触らずにいこうというのは、はじめから敗者の理屈なのだと思い至りました。
 かつては建築も今ほど各職域で細分化されておらず、もっと幅広いアドバイスがお施主様とできていたのではないかと思いました。
 瓦屋だけれどもサイディングなどの外装一般や建物本体についても語るべきなのかもしれませんし(元請けになってもいいわけですし)、デザイナーでももっと幅の広い仕事に踏み込んでも良いのかもしれません。
 なんだかそんな突破口も、あり得るような気がしてきました!

 nice! &コメント、ありがとうございました!
by たいせい (2008-02-13 13:26) 

浜松自宅カフェ

私も似たようなポジションですが、事業ベースになっているのが
すごいです!
建築、特に設計は「総合的な情報整理能力」が肝だと思っています。
その上で、キチンとお施主さんの問題を把握し、トータルな解決能力を
持ち合わせた方なんでしょう。
そんな圧倒的な存在になりたいと思っています。
励みになります。良い事例、情報をありがとうございます。
by 浜松自宅カフェ (2008-02-13 20:49) 

U之薗

初めて、コメントいたします。
たいせいさんにはいつもコメントをいただきありがとうございます。

自分の力で、切り開き、依頼者の信頼を得て、報酬をいただく。

”物づくり”に携わる者にとって、うらやましい限りです。
私も負けないように頑張ります。

たいせいさんも頑張ってください!
by U之薗 (2008-02-13 22:06) 

単なる図面やさんの設計士さんが増えましたね。仕事は速いが、センスは普通!みたいな。
こういう話を聴くとほっとしますよ。
by (2008-02-13 23:19) 

こう

施主の希望だけではなく、地域の自然や社会環境、そして自分のセンスを発揮できる人が家作りをプロデュースすると、いい家が建ちそうですね。
期待しています。
by こう (2008-02-14 02:07) 

たいせい

 は松自宅カフェさん、とても誠実そうな方で何にでも興味を持った、非常に多趣味な方だとの印象を持ちました。
 やはり起業をされる方は、強いバイタリティを持ちプラス思考で物事を考えられる人が多いと言うことだと思いました。
 お客様から何か要望が上がると、どこよりも早く具現化して提案できるフットワークが持ち味だとも仰っていました。
 やはり人との出会いは、多くの刺激とエネルギーをわけていただけます。

 nice! &コメント、ありがとうございました!
by たいせい (2008-02-14 08:45) 

たいせい

 U之薗さん、やはり製造業に限らず建築建設業やサービス業に至るまで、自らが生み出す付加価値の根源がどこにあり、それにこだわると言うことがとても大切なことだと感じています。
 ともすると現在のデフレ環境で、安い物こそが正しいと勘違いし、本来主張すべき事をわすれつつあるのかもしれません。
 お客様は同じものだとしか感じられない場合に安い物を選ぶのであって、現に家電製品などやシステムキッチンなども安い物からではなく付加価値が高く高価なものから売れているというのが実態だと思いますし、そうした製品で収益を上げていらっしゃる企業は、確信犯でそれをターゲットにして戦略を組み立て経営資産を投入していったはずです。
 願わくば我が社も、そうありたいものですが...。

 コメント、ありがとうございます!
by たいせい (2008-02-14 08:53) 

たいせい

 STEALTH さん、大都市圏でしか成立しないと思われている事業でも、地方の小都市でも十分成立しうるのだという事例を垣間見たような気がして、大きな勇気をいただきました。
 事業の内容によっては競争の激しい大都市圏よりも、むしろ地方の小都市でこそ立ち上げられる場合もあり得るわけで、諦めからは何も生まれないと言うことを学んだような気がします。

 nice! &コメント、ありがとうございました!
by たいせい (2008-02-14 08:57) 

たいせい

 こうさん、設計のみに着眼されて仕事をしていらっしゃる方の弊害についても語っていらっしゃいました。
 あまりプロに成りすぎると、これまでしてきた仕事や固定概念に支配されて、ともするとデザインでこれを具現化すると言う本来の仕事よりも、お施主を説得して自らのパターンに囲い込んででしまう場合もあるのではないか?ということです。
 この方が、デザインやプロデュース力を前面に押し出していらっしゃるのは、それを可能な限り除外したいとの思いもあるようでした。

 nice! &コメント、ありがとうございました!
by たいせい (2008-02-14 09:04) 

plusgate

良い刺激を僕も受けました。
負けないように、頑張ります!!
by plusgate (2008-02-14 18:13) 

たいせい

 plusgateさんにも、大きな刺激をいただいています。
 商売優先ではなく、お施主様と直接お話をしていらっしゃる方の話は、瓦という一建材メーカーで直接の接点を持たない私のようなものには、非常に大きな勉強の機会となっています。
 今後ともよろしくお願いいたします。
 nice! &コメント、ありがとうございました!
by たいせい (2008-02-15 12:24) 

nina

テレビ番組で「デザイナーハウス」というものを何度か見ましたが、あまりにも個性的過ぎて「こんな家には住みたくないな〜。やっぱり『普通の家』というのは長年に渡って完成型に近づいたものであり、住む人の事を第一に考えた形なんだろうなぁ」と思いました。

たいせいさんがお話されたデザイナーさんは、住む人の事を第一に考えた上でデザインするから支持されてらっしゃるんでしょうね。
私も印刷物のデザインを手がけますので、「読む人の側に立ったもの」を念頭に置いていきたいと思います。
by nina (2008-02-16 14:34) 

たいせい

 ninaさん、印刷物を扱うクリエーターでも感じる場合があるのですが、何のためのデザインかを忘れて、デザインのためのデザインに走る方が時々いらっしゃいますね。
 印刷物のデザインは情報を的確に伝えるためにあるのでしょうし、建物のデザインは目的にあった用途を具現化するために存在していると言うことを忘れていらっしゃるのでしょうね。
 ともすると、そうしたことを忘れて突っ走った方が人目を集めることが出来るのでしょうが、本当の一流の方はその辺りのバランスが素晴らしいですね。

 nice! &コメント、ありがとうございました!
by たいせい (2008-02-18 11:23) 

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