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防災瓦の機能と責任施工(ガイドライン工法) [屋根には「瓦」]

 最近「防災瓦」なる言葉が一般の方々の耳にはいるようになってきました。

 とは言っても、実際の「防災瓦」が如何なるものなのか実はあまり知られておらず、一度どんな瓦なのか図解して説明させていただこうと思います。

 また「防災瓦」と言えども万能ではなく、実際にそれに応じた施工を行わないと機能を発揮できない場合があるという点も知っていただければと思います。

(実は、三州瓦のメーカーで現在普及しているタイプの防災瓦を最初に作ったのは、うちの会社です。)

 長い記事ですが、「防災瓦」の機能施工のチェックポイントについて出来るだけ解りやすく書いたつもりですので、最後まで呼んでいただけると嬉しく思います。

CRW_0808.jpg 防災瓦は切り込み部のツメに秘密があります

 10年ほど前までは、秋になり台風が上陸すると必ずTVなどで被害例として紹介されたのが「強風による瓦の飛散」でした。
 それが最近ではほとんど瓦の飛散が取りあげられることはなくなり、むしろ金属屋根の飛散や、いわゆる軽い屋根材を乗せた事による小屋組ごと持って行かれるような例の方が多く見受けられるようになりました。
 施工方法の進歩もさることながら、強風時の被害の削減に一番貢献したのが「防災瓦」の普及だったと考えています。

 桟瓦留め付け.gif 従来の瓦の施工イメージ

 上の図は、従来の瓦の施工イメージです。
 瓦は野地板状に固定された桟木と言われる木の棒に、棟側で釘により固定されていました。
 (当時、実際には建築基準法の仕様では4枚に一枚、住宅金融公庫の仕様では三枚に一枚の固定しかされていませんでいたが、話を単純化するために固定された一枚のみを説明させていただきます。)

 瓦は左右や棟方向に重ねられて施工されるわけですが、横に重ねられる瓦も上の図と同様に棟側でしか固定されていませんので、強風による引き上げ力が加わると下方になる軒側が持ち上がります
 一枚が剥がれるとその隙間が風を呼び込み、どんどん広い面積の瓦が飛んでいきます。
 これが、強風により瓦が飛散するメカニズムです。

CRW_1149.jpg CRW_0976-1.jpg
            従来の瓦                          防災瓦「バッチリくんPLUS」

 上の二枚の写真を見て何が違うか、お解りになりますか?
 この防災瓦は、雨漏りが起こりにくく緩勾配屋根にも対応した瓦で水返しなどの彫りが深くなっていますが、ポイントはその部分ではなくて右下部の切り込みにある「瓦のツメ」です。

 このツメで瓦を引き剥がす力(軒側が引き上げられる)を右下の瓦に伝え、右下の瓦の釘が効くことにより持ち上げられるのに対抗しています。

防災瓦 図.jpg 風により瓦にかかる力のイメージ

防災瓦の機能2.jpg     new CRW_0808(小).jpg

 この防災瓦で要求仕様にあわせた施工方法が採られていれば、建築基準法で定められた基準風速46m/Sにも十分対応しており(10分間平均風速で瞬間風速に換算すると1.6倍程度と聞いています:離島を含む国内全てがこの範囲に入ります)、強風による飛散が起こることはまず考えられません
(実際にうちの瓦については強風による瓦の飛散という話は聞かなくなりました。)

DSC00217.jpg 標準試験装置を使った性能試験(風圧力を機械力に置き換えた引き上げ試験)

 またこの連結構造は強風時だけではなく大地震発生時にも有効で、この施工法で施工された屋根であれば国内最大実物大加震実験設備「E-ディフェンス」による実際の建物に阪神大震災の地震波を加えた加震実験でも異常なく、その後各地で起こった大地震でも被害は出てはいません

地震で家が壊れる様を見てきました(E-ディフェンス耐震実験、そして瓦屋根)
http://kawaraya-taisei.blog.so-net.ne.jp/2007-03-08

 なお最近平板瓦(F形瓦)の中でも防災瓦が主流を占めるようになっていますが、各社各様の方法ではありますが持ち上がりやすい瓦の下側を、何らかの方法で下の瓦の釘成りビスに伝えて瓦が持ち上がらないようにしているという意味に於いて同様の理屈で出来ています。

4枚重ね.jpg 合体構造

 防災瓦を使った施工は、重ね合わされた瓦どうしが強固に連結し、左右にも動かない「合体構造」と言うことも出来ます。


  以上のような構造により従来の瓦に比べて「防災瓦」は強風や地震に対して非常に強い仕組みを持っているのですが、この「防災瓦」と言えども万能なわけではありません。 それに適した施工の励行が行われなければ、無用の長物になってしまいます。

 

 実際に私は自社製品の性能試験を様々に条件を変えて行ったり、組合での業界としての試験に多数立ち会ってきていますが、耐風圧試験(写真の引き上げ試験)をしていつも感じるのは、瓦の試験ではなく野地板や桟木の材質による釘やビスなど堅結材の引き抜き強度試験か、もしくは施工の仕方による工法試験だと言うことです。

 全数堅結.jpg 今の一般的な防災瓦の堅結(釘やビスによる固定)

 堅結方法について、かつては通常の瓦で4枚に一枚(住宅金融公庫の仕様では3枚に一枚)の列毎の堅結が普通でした。
 「防災瓦」の場合は、従来の堅結方法でも飛躍的な耐風性能を発揮しますが、様々な実証試験を経て現在では全数堅結という固定方法が一般的に成ってきました。
(防災瓦を使ったこの施工方法は、独立行政法人建築研究所監修「瓦屋根標準設計施工ガイドライン」(別名ガイドライン工法)において、「組み合わせ葺き」として監修されています。)

 そして堅結材である釘やビスについても、建築基準法で定められた地域による「基準風速(10分間平均風速)」「平均屋根高さ(高さが高いと風は強くなります)」に見合った「ピーク風力計数」を確保するために、それぞれ最低基準が定められています。

基準風速.jpg

 これらを無視して堅結材を減らしたり、使用する堅結材が所定のものではなかったりした場合には本来持っている性能が発揮できず、「防災瓦」を使ったにも限らず強風被害が発生する場合も起こり得るわけです。

千鳥.jpg 防災瓦の千鳥(ちどり)堅結(平部:桟瓦)

 ただ実際の施工現場では様々なことがあり、屋根の施工後に壁の工事の際など下屋(1階)の屋根の瓦が割れるなどと言うことがあったりしますし、足場が乗っかる瓦が割れたりする場合もあります。
 その場合は瓦の交換によって対処することになるのですが、全数堅結の防災瓦ではしっかり固定されすぎていてそう簡単に交換することは出来ません

 そこで考えられたのが「千鳥(ちどり)堅結」という固定方法です。
 防災瓦は、構造的に斜め方向に配置された瓦と連結していきますので、上の図のような堅結が行われれば防災構造がキチンと機能する斜め方向の編み目が構成されます。
 固定されていない瓦も上下左右に動かない瓦で囲まれることにも成り、多少の風圧力や地震力ではビクともしない屋根が出来上がりますし、瓦が破損した場合の交換作業も全数堅結に比べ容易に行うことが出来るわけです。

 この施工法での耐風圧試験(引き上げ試験)をしても結果は良好で、平均屋根高さ7.5以下の一般的な二階建の場合ならば基準風速36m/sにも耐えられる実験結果が出ており、大屋根(二階の屋根)にも十分に使用できる結果が記録されました。
(下屋の屋根であれば、もう少し高い基準風速の地域でも大丈夫です。)

 


 施工が関わる部分は、それだけではありません。

隅棟.gif 寄せ棟屋根の隅棟

 上の図は寄せ棟屋根の隅棟の施工を表したものなのですが、棟際の桟瓦(通常の瓦)が切って使用されているのにお気づきのことだと思います。
 最初の説明させていただいた防災瓦の機能はあくまでも通常状態での使用の場合で、このように切って使った場合の性能については必ずしも確保されてはいません
 それではどうするかというと、切った瓦に新しく穴を空けてそこで堅結を行ったり、金具を使って固定したりという施工が必要になります。
(棟に使う瓦の施工も、災害に配慮した施工をしなくてはいけないのは勿論ですが。)

大袖.jpg 袖瓦(屋根の妻側に使う瓦です)

 また「袖瓦」「軒瓦」「棟瓦」なども屋根の端は強風に煽られやすく、元々ピーク風力計数を高く設定しなければならない部位であり、特段の施工法が必要になっています。

 他にも雪国では「雪止瓦」の施工方法や、雪の解けた水によるルーフィング下への水の侵入(すが漏れと呼ばれています:融けた雪が軒先の雪氷ででダムのように堰き止められます)を防ぐ為に長い釘が使えないなどの問題があったり、地域地域の気候風土に見合った施工法が存在しています。

 屋根については、およそ上のような着目点でよいと思いますので、責任施工を励行されていらっしゃる信頼できる屋根工事店での施工をお奨めします。

 「防災瓦」はこ、れまでに比べ格段の性能を持った瓦ですが、万能なわけではありません。

 



 
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nina

色々と工夫されているんですね。
風が大敵のようですが、F1マシンのウィングのように風を利用してダウンフォースを発生させ、瓦を下向きに押さえつけるようにできれば釘がいらなくなるなぁ、なんて思いましたが、素人考えですので何をどうすればいいのかはサッパリ見当がつきません。(笑
by nina (2008-03-09 01:27) 

まつもっくり

初めまして!一真さんから飛んできました!
お邪魔しま~す!
by まつもっくり (2008-03-10 08:34) 

たいせい

 ninaさん、前々回の建築基準法改正時(仕様規定から性能規定への改正)にそれに近い空力的な発想でパブリックコメントに対し意見の陳述をさせていただいたことがあります。
 建築基準法で定められてたいるピーク風力係数(風邪に対する瓦を引き剥がす力)は、金属屋根のように平滑な表面を前提にして風が何の障害もなく屋根材表面を流れる前提の理論値で計算されているのですが、実際の瓦の表面は(特に和瓦)特有の凹凸があり、ピーク風力係数の算出式そのものがオーバースペックではないのか?と言うものです。
 その後当局と何度かやり取りを繰り返しましたが、表面の空力面に於いて研究が進んでおらず、算出法が修正されるには至りませんでしたが、いまでも現在の算出法が、こと瓦という屋根材に於いてはオーバースペックだと思っています。
(その考え方でその後空力的な実験を進めてきた結果、前に記事で少し触れた「風切り丸の風力特性」や瓦の表面計表により空力的に明らかに差異がある事が現在では解ってきています。)
 風が大敵には違いないのですが、私の認識では実際の屋根に起こる力学的な力を凌駕する力への対処を行うために、屋根業界として血道をあげてきたという方が実態に近いと感じています。

 コメントしづらい記事へのコメント&nice!、ありがとうございました!
by たいせい (2008-03-10 08:36) 

たいせい

 まつもっくりさん、始めまして!
 nice! &コメント、本当にありがとうございます。
 仕事が三州瓦の製造メーカーで、「瓦関係の専門記事」「建築全般」「子育て親バカ記事」「伝統や情の観点で見た日本」などの記事を、週に1~2度書いています。
 葬式医の高いBLOGではないつもりですので、またお気軽にお立ち寄り下されば嬉しく思います。
 今後ともよろしくお願いいたします!
by たいせい (2008-03-10 09:04) 

mike

いやーホント勉強になりました。
というか、恥ずかしいくらい知らない事ばかりでした。

ところで、同形状、同材質、同ランクの一般の瓦と防災瓦の値段は、どのくらい違うのでしょうか?

わたしのような職業にとっては、刺激になり、ありがたい記事です。
by mike (2008-03-10 09:20) 

たいせい

 mikeさん、防災瓦と言えども今では一般化しており部材としての瓦の価格と言うことではほとんど変わりないように思います。(価格差があっても、それほど大きな差ではありません。)
 また、防災瓦ではなくとも金具などを使い工法的に所定のピーク風力計数の耐力を持たせる方法も様々工夫されており、材工ともで合算すると価格手には何とも言えないと感じています。(金具などを使うとかえって高くなります。)
 記事に書かせていただいたように、実際には防災瓦を使っていても工事によって所定の性能が発揮できない場合もあり、もし屋根工事店と話をする機会があればこの記事を頭において「防災仕様の工事になっているのか?」との問いかけをすれば、回答によって施工店がどのくらい勉強していらっしゃるかが見えてくるように思います。

 コメントが付けづらい記事だとは思いましたが、防災瓦の実際の機能とその限界があまり知られていないのではないか?と思いあえて記事にさせていただきましたが、このようなコメントを付けてくださり本当に嬉しく感じました。
 nice!もあわせて、ありがとうございました!
by たいせい (2008-03-10 12:49) 

STEALTH

防災瓦、名前だけは聞いたことがありましたが、詳しい形と施工方法までは知りませんでした。なるほど、画期的な発明だったわけですね。
by STEALTH (2008-03-10 18:00) 

たいせい

 STEALTHさん、防災瓦が一般名詞のように使われ始めたにも関わらず案外とその正体が知られていないのに気づき、この記事を書いたような次第です。
 かつては台風の度に瓦の飛散が取りざたされ、瓦は風に弱いとの風評が広がっていた時代がありましたが、こんな形での各社の努力や業界としての工法改善の結果今では瓦が飛ぶことはほとんど無くなり、むしろ今は台風で良く被害が出るのは金属屋根やスレート系の「軽い屋根材」の方になりました。
(数年前の九州に上陸した台風で、業界ルートではほとんど被害を聞かなかったにもかかわらず、よっぽど台風被害の家がなかったのか?TV局の情報網で調べつくし横の連絡が取られたのか?ある特定の家の屋根をどこの局も放送していたのが笑えました。「台風=瓦の飛散」といったステレオタイプの価値観がマスコミ関係者に蔓延しているのでしょうね。事実に基づかない、地震報道と同根の「悪意(?)」を感じたりしたものです。)
 もっとも今でも古い施工の屋根などで被害が出たり、悪質リフォーム会社による何の効果もない間違った屋根改修や、竜巻などの想定外の風(どんな屋根でも飛んでいきます)で被害が出ることもありますが、キチンとした施工店の工事で強風による被害が出ることはまず無くなったとはずです。
 先人の努力に泥を塗ることなく、技術や工夫を積み重ねて後世に残して行かなくては...。

 nice! &コメント、ありがとうございました!

by たいせい (2008-03-11 13:09) 

アキラ

和瓦を使うのであれば、防災瓦で決まりです。
しかし、建築士が書く図面には、ガルバニュームたて平葺きとか、石綿スレート板(または、商品名でコロニアル)とか、書かれていてどうにもなりません。
瓦業界で建築士にも啓蒙されているとは思いますが、もう少し力の入れ方もあろうかと思います。
by アキラ (2008-03-11 16:58) 

とりのさとZ

こんにちは。

 この瓦屋根のイラストは、業界紙などからのコピーですか、それとも、たいせいさんのオリジナル?

 素人の質問で、とんちんかんかもしれませんが、おつきあいください。

 屋根は、3寸角の梁材が横に走り、その上に4,5センチの「タルキ」(垂る木)が傾斜と平行に打たれ、その上に野路板が張られていると思います。その野路板の厚さは1センチ程度ですね。(この上にもシートも張っていますが)
 で、瓦を屋根に固定する釘は、タルキに全て打たれるというわけでないように見えるんですが。 野路板だけに、瓦固定の釘が打たれても、なにしろ厚さが1センチ程度ですから、固定の強度が弱いように思えるんですが・・・。

 私が誤解しているかもしれませんので、合わせて教えてください。






by とりのさとZ (2008-03-11 19:18) 

浜松自宅カフェ

良く判りました!何より自社開発と言うのが頭が下がります。
防災瓦と言うより、日本の気候風土に合った本来あるべきの瓦材ですね!
僕自身は本来、日本の住宅が好きで日本の住まいを大事にしたいと
思っています。
お施主さんの理解と共感が必要になりますが、いつか瓦の大屋根が特徴
となる家をデザインできたらと思います。
僕が設計した最初の家は「義父の田舎暮らしの家」なんですが、
小さいながらも瓦屋根の楽しい家ですよ。
by 浜松自宅カフェ (2008-03-11 22:07) 

たいせい

 アキラさん、随分長きにわたり私たち瓦業界の営業戦略は「屋根には瓦が使われるのが当たり前」と言う前提に立ち、当然仕事が回ってくるはずの屋根工事店や瓦専門問屋に自社の製品を採用していただくことに血道をあげていました。
 また同様な前提に基づき三州瓦全体としては、地方の小規模な産地よりも「葺きやすい」「美しい」「機会が我進み価格が安い」という特長を生かして「他産地の瓦よりも私たちの瓦の方が良い」との営業展開を行ってきました。
 言わば先人が長い期間をかけて醸成してきた「瓦に対する信頼」という違算に胡座をかいて、瓦自身の素晴らしさを一般のお施主様や屋根業界以外の建築関係者にアピールするという作業をほとんど行ってきませんでした。(先人の築き上げた遺産を、食いつぶしてきたわけです。)
 それが結果として、現在の瓦離れを招いた根本要因だと考えています。

 アキラさんの仰る現況は、うちの会社に於いても現在の業績不振をもたらした原因でもあり、非常に耳の痛い話です。
 自社としても組合などの活動として業界としても様々な方策に取り組み、再び「瓦の良さ」をどうやって知っていただくかを考えなければならないと活動してはいますが、数十年かかって起きた変化をここ数年で一気に回復するのはかなり困難で苦戦を強いられているというのが現況です。
(瓦が「最も優れた屋根材」だという点に関しては、今でも疑ってはいません。他の新しい屋根材は今に至ってもまだ「瓦並の性能が実現できるようになってきた」と言っているに過ぎませんので。)

 そんな状況の中で今考えうちとして試行しているのが、瓦を使った建築の幾つかの成功事例を作り上げ(一点突破)紹介していくことにより(水平展開)、ちっぽけではあるかもしれないけれども業界に風穴を開けたいと言うことです。
 現に前に記事でも紹介させていただきましたが、あえて軽い屋根材・薄い屋根材全盛の今の時代に和瓦を使った差別化を敢行され、ハウスメーカーとの対立軸を明確化することで成功を収め始められた建築会社が現れ始めるなど、可能性は広がりつつあると感じてもいます。
(ハウスメーカー規模でそれをやろうとすれば、「差別化ポイント」ではなくなりますし、大手瓦メーカーの物量でそれをやろうにも量が多すぎて同様に差別化ではなくなってしまいます。)
 そこでそれを、うち規模のメーカーと地域の建築会社との間を繋いで、お互いに商売の成り立つ状況を何とか作れないものかとの考えで、うちの営業などでも、屋根工事店と一緒にそのお客様である建築会社にお邪魔するケースが増えてきており、少しずつですが形が出来つつあるようにも思います。

 先人の残してくれた遺産は随分食いつぶしてしまいましたが、まだまだ消えてしまったわけではなく、「次代に残せる瓦業界」を時間はかかろうが復活させたいと思います。

 nice! &コメント、ありがとうございました!
by たいせい (2008-03-12 09:25) 

たいせい

 とりのさとZさん、一枚一枚の瓦に対して垂直方向にかかる力はそれほど大きなものではなく(自重を多少超える程度:自重を超えれば当然飛びます)、瓦を引っ掛けている桟木と野地板での釘の引き抜き強度で十分持ちますので、垂木にまで釘がかかっている必要は必ずしもありません。(より引き抜き強度の強い通常の釘ではなく開店止め加工を施したスクリュー釘を「使うのが前提ですが)
 ただし従来型の瓦の場合は、釘の留め付け位置の桟木に対して(瓦の軒側:イラスト参照)力が加わる点が離れており、テコの原理でちょうど釘抜きで釘を抜くような形で力が作用して釘がたやすく抜ける状況が起こり、瓦の下側(軒側)で連結して釘に対して垂直に引き抜き方向の力が加わる防災瓦と比べて力学的には脆弱な状況が発生して風の強さによっては抜けてくることもあるかもしれません。

 特に薄い野地板を使った場合などならば(ベニヤなど)、引き抜き強度が足りないと言うことも起こり得るかもしれませんが、人の体重を支えられる通常の野地板であれば心配には及ばず、工法試験もその条件で行い大丈夫であることを確認しています。

 素人質問も大歓迎です。
 コメントありがとうございました!

PS.
 写真は全て私が撮影したもので写真に説明が加えられているものはそれをIllustratorで加工したものですが、その他のイラストは弊社のカタログや独立行政法人建築研究所監修「瓦屋根標準設計・施工ガイドライン」(うちも加盟している全国陶器瓦工業組合連合会他2団体共同発行)からスキャナーで撮ったものです。
by たいせい (2008-03-12 09:47) 

たいせい

 浜松自宅カフェさん、全国シェア6割を超える三州瓦のメーカーとして一番最初に商品化したのは確かなのですが、実は他産地で先行した製品があり一から生み出したわけではないのでお恥ずかしい限りです。
 ただ三州の土と製造設備でこれを作った場合に予測される品質リスクにチャレンジし、軌道に乗せて(マーケティングはそれなりにやったつもりです)、その後の平板瓦を含む防災瓦ブームを巻き起こした点については、それなりに貢献出来たのではないかと自負してはいますが...。

 私自身家の隣の工場で遊び、生まれたときから瓦の中で育ってきた割りには、三十過ぎにこの業界に入ってくるまで屋根を見ることはほとんどありませんでした。
 改めて見ると、甍の家のもっている存在感は大変素晴らしいと思います。
 一人でも多くの方に屋根に関心を持っていただき、和瓦の家が増えて欲しいと思っています。

 nice! &コメント、ありがとうございました!
by たいせい (2008-03-12 10:01) 

rion

支持瓦工法で太陽光パネルを乗せようと思うのですが、
どうもウチの瓦はこのタイプみたいです。瓦の並びの途中から外せますか?
by rion (2011-09-06 13:27) 

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