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No.1のモノ(店)しか売れない!?(マーケティングの考え方) [マーケティング・営業戦略]

 ものが売れる仕掛けを考える際に、「何故このモノが売れているのだろうか?」「何故この店が流行っているのだろうか?」「何故この会社には仕事が集まるのだろうか?」など考えを巡らせて、あれこれと試行錯誤します。

 自分自身がそうしたことを模索する際、「ナンバーワンのモノしか、お客様に選択されない」と言うことをベースに製品展開や売り方を考えていますが、よく考えればこの考え方は私のやっている製造業のみならず一般の商店や請負仕事などについても同様に適応でき、自分の頭の中を整理する意味で一度記事として残しておきます。

 また今後このシリーズで、今回の記事を念頭に置いたマーケティングや営業展開など、自社での成功例や失敗例を書いていきたいと思っています。

(当然書けない内容も多々ありますので、どんなシリーズになっていくか?自分でもよく解りません。)

商圏の拡大.png

 

 


 

 自分自身が買い物に出かけてどんな物を買うかと考えると、概ね次のようなモノを無意識のうちに選択して買っているはずです。

  1. 一番、価格の安いモノ
  2. 一番、優れているモノ
  3. 一番、使いやすいモノ
  4. 一番、丈夫なモノ
  5. 一番、デザインが洗練されているモノ
  6. 一番、なじみのあるメーカーのモノ

 商品購入の場合には「どの店で買うか」が大きなウエイトを占めている場合も多々あり、店の選択も考え合わせると以下のような要素も加わります。

  1. 一番、品揃えがしっかりしている店
  2. 一番、店員(営業)の愛想の良い店
  3. 一番、アフターサービスの行き届いた店
  4. 一番、企画力がある店
  5. 一番、雰囲気の良い店
  6. 一番、近い店
  7. 一番、駐車場の広く車が駐めやすい店
  8. 一番、社長に人柄がよい店
  9. 一番、店員(営業)の愛想の良い店

 

 実際にはこれらの要素が入り交じっており、「○○○円の予算範囲で一番優れたモノ」とか「一番好きなブランドの中で予算に合うモノ」「自宅から車で□□分以内で一番安い店」とか、「△△を扱っている店の中で店員の人柄が一番良い店」など複合した条件の中でナンバーワンの選択をしているケースが大半でしょう。

 しかし一つだけ言えるのは、「△△の機能を持った2番目に安いモノ」「☆☆☆円の予算範囲で2番目に安いモノ」「車で□□分以内で2番目に安い店を選択して買い物をすることは絶対にないはずです。


 私たちメーカーは新製品を出したり新しい営業展開を図る場合、「どれだけ多くのお客様にとってのナンバーワンを獲得できるか?」を常に頭の中に置いて、ビジネスとして成立するかどうかの検討を進めます。

 つまり自らの商圏なり客層の中で、「新しい製品や売り方でどれだけのナンバーワンが獲得でき、それが売上や利益にどの程度貢献できるか?」「新規顧客やマーケット獲得が可能かどうか?」を算出して、「初期投資のペイが可能かどうか?」「リスクはどの程度のものか?」を見積もった末に、実際にビジネスとして始めるかどうかを決断することになります。

(実際には様々な複合要素が絡み合い、既存顧客の売上を伸ばすために高付加価値製品を打ち出したり、競合他社から顧客を守るための価格政策、新規顧客獲得のための営業展開などそれぞれの局面で複雑な要素群を整理し、その時必要な施策を打ち出すことには成りますが、基本は「お客様にとってのナンバーワンを如何に獲得し維持するのか」の一語に尽き、その為の様々な施策を考えています。)

 


 

 一般の商店経営の場合はどうでしょうか?

 最近の商店の売上低迷の要因としては、「近隣にコンビニエンスショップやショッピングモールが出来て、お客がそちらに流れるようになった」などがあげられるかと思います。

  コンビニエンスショップの場合は、「一番近いからと言う理由で選択いただいていたお客様が更に近い店が出来ることでそちらに流れた」訳ですし、ショッピングモールの場合は品揃えに於いて近隣で一番でなくなった」と言うことなのかもしれません。

 少なくとも、これまでその店が一番という理由で選択していただいていたお客様のうちのいくらかが、新しい店の存在で2番目になったことによって売上が低迷したと言うことだろうと思います。

(それでも来店くださるお客様にとっては、相変わらずナンバーワンの店のままだと思われていることを忘れてはなりません。)

 かつて大規模店舗の出現で倒産や廃業を余儀なくされた中小小売店は、このパターンに嵌り不毛な価格競争やサービス合戦に巻き込まれてしまったように思います。

 

 ではその場合の対策としては、どんな方法をどんな考え方で採るべきなのでしょうか?

 

 

 話を単樹運化するために、「距離」と「価格」の二つのファクターに絞って話を進めます。

 元々この店は同意区価格帯の店が概ね半径5km範囲内に競合店舗が無く、その圏内のお客様が一番便利な店として足を運んでいただける店だったとします。

  そこに隣接する商圏に競合店が現れ、その地域のお客様にとって一番便利の良い店が競合店になることによって来店いただくお客様の絶対数が減りました。

 

新店舗進出.png 競合店の出現 

 お客様が物を買う場合の行動基準は利便性だけではありませんので、さらに競合店の方が同じ商品でも販売価格が安い場合には、例え既存店の方が近くとも価格ファクターによって新規店の方を選択するお客様も出てきます。


 対策としては、「距離」と「価格」の二つのファクターのみに絞って考える今回の場合、お客の絶対数を大きくする為の商圏の拡大を目的とした「低価格化」以外に方法はありません。

 

商圏の拡大.png 低価格化による商圏の拡大 

 販売価格を引き下げて商圏を広げ、隣接する既存店のお客を自店に呼び込むことになりますが、当然の事ながら商品一つ当たりの利益が減りますので店を維持するためにはそれを上回る販売量が実現できる可動化というのが最終的な判断基準となります。

 また、既存の商圏の中でも価格優先の志向を持っていらっしゃりこれまで来店下さらなかったお客様が足を運ぶようになることによって、あたら成る伽客層の獲得に繋がるかもしれません。


 ただ実際の商品販売に於いて価格競争は多くの場合不毛で、数店が競争を繰り返したあげく経営不振に陥って、誰も幸せになることが出来ない場合がほとんどだというのが実情です。

(粘土瓦業界はこのパターンに嵌ってしまっています。)

 


 

 現実にはお客様がその店や商品を選択する場合に「価格のみ」がファクターとなる場合は極めて少なく、「お客様に違いがわからない」「同じモノだと感じる」場合に限られます。

 専門的な商品が欲しい場合にはその分野における「品揃えナンバーワン」の店を距離が離れていても探して訪問する場合はざらにありますし、生鮮食料品などについては「鮮度」が最大のセールスポイントである場合も多いでしょうし、電気製品などについては「設置工事やアフターサービス」を元にどの店で買うかを決定する場合も少なくはありません。

(店員の笑顔ナンバーワンだってその店が選択される大きな理由になり得ますし、マニアックな品揃えに特化すれば商圏は一気に拡大できる可能性もあります。)

マニアック.png  何らかの方面に特化してナンバーワンを拡大

  ただ、この場合は人口あたりにその店をナンバーワンだと考える人の比率を下げることでもあり(既存顧客の多くを失います)、商圏の拡大は出来ても大きなリスクを伴います。

 

 いずれにしても、お客様は2番目以下の店や商品を買うことは決してあり得ず、常に選択されるのはナンバーワンの店や商品に限られるのだと言うことを認識して、今現在実際に自社の製品を選択下さるお客様にとって何がナンバーワンであるかをキチンと分析しておき、その上で次の顧客を獲得し得るナンバーワンを模索する事がもっとも大切なことだと感じています。

 商店経営に於いても、「自店のナンバーワンが何なのか?」「商圏の半径とその人口」「自店の選択比率」「客単価」お客様一人当たりもしくは一商品当たりの利益」などの要素に分けて現況をシンプルに分析して、採算の合うビジネスプランを模索することが必要だと思います。


 現実に量販店が多く出店している私の地元で、価格的には量販店に対抗しようがないと割り切って修理・点検や相談などのアフターサービスに特化して経営を成り立たせている電気店があります。

 またこれは実現しなかった例ですが、ある自動車整備工場が車検をするのに代車として自転車を出すことにより経費を削減して、半径3km以内の低価格ナンバーワンを目指す等というのもビジネスプランとして成り立つ可能性があるわけです。
(商圏はあえて小さくする代わりに、商圏内の市場占有率を上げるという考え方。)

 出前する飲食店のない地域の飲食店で、あえて価格を上げてでも出前対応をすることによって半径数kmでの競合店の無い商売をすると言うのも有効でしょう。


 実際の取引に於いても、同じ商品を扱う商社の中で「出入りしている営業の人柄ナンバーワン」とか、「クレーム対処ナンバーワン」とかの要素が、どこで買うかを左右している場合が多いと実体験で感じています。

 


 

 私たちメーカーの場合は、設備の稼働率(稼働率が低いと固定費を割る分母が小さくなりコストに跳ね返ります)や製品ラインナップ(品種が増えると生産効率が下がり同じくコストに影響が出ます)、在庫状況、競合他社の動向などの複雑な要素を勘案して新製品の市場投入タイミングや価格政策を決めていくわけですが、基本はお客様にとってのナンバーワンを如何に獲得して、自社のモノを選択していただくかと言うことに尽きると考えています。

 実際にはその時々の市況や経済情勢によって、攻めのマーケティングを行う場合と守りのマーケティングが余儀なくされる場合とがあり、その時々で経営リスクなども検討しながら組み立ては変えることになりますが、忘れてはならないのは「どんなに頑張ろうとも2番目のモノや店では、お客様は選択してくださらない」ことだと肝に銘じています。

 恐らくこれは製造業のみ成らず、例で紐解いた小売業や建設・建築業、またはサービス業なども含め、ありとあらゆる場合に適応できる原則でしょう。


 複雑で混沌とした今の状況下でこそ、極力物事を単純化して考えシンプルな施策を下す必要があると、ここ暫く考えています。

 


 

PS.
 マーケティングの本などに良く書いてある「ナンバーワン戦略」を自分なりの理解で記事にしたつもりです。
 マーケティングとか販売戦略というと何か取っつきにくい印象ですが、実施に勉強してみると納得できることが多く書いてあり、一部大企業にのみ利用できる特別な学問ではなく、小規模店舗などでも経営を考えるのに役立つポイントが幾つもあります。

(あえて細部の技術論主体で複雑に書いてある本が多く、解りやすい本が余り出ていないのが難点です。)

 ほとんどの場合、現在存在している会社なり店舗ならば無意識のうちにこの記事のような判断が行われ経営が成り立っているわけですが、違う切り口で新たに自社や顧客を見直すことによって、新たなる経営展開が見つかるケースもあると感じています。

 考えてみると、ヒット商品が売れる理由や人気店が流行っている理由は多くの場合単純で、シンプルにものを考えた方が成功する率も高いのですよね...。


 なお、私の考えの足りない点や補足事項がありましたら遠慮無くコメント下さい。


 

PS.
 自社については、上記を鑑みた上で次なるビジネスプランを打ち出そうと準備していますが、燃料をはじめとする原材料の高騰と、昨年の建築基準法改正以来の建築・建設不況の中、起死回生の一手などなかなか見つかるものではありません。

 道はなかなか険しいです....。

 

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わかって建築家

まー範囲拡大の道具がネットなわけですし・・・・・

昨今、マニアックが流行っているのはネットのおかげでしょう。

家もそうなんでしょうね。最近、感じます。
by わかって建築家 (2008-07-03 14:01) 

mike

ほぼ同義語に近いのでしょうが、“オンリーワン”もキーワードなのかなぁと思います。
ナンバー1と2の差が小さい場合、1がクロ-ズアップされにくいでしょうが、オンリーワンは違いがわかりやすいと思います。
魅力である、オンリーワンでなければなりませんが。
by mike (2008-07-03 19:59) 

こう

 もし私に一戸建てに関する知識が少なければ、建売住宅を選ぶと思います。安いですし、完成品を見て購入するわけですから、見て気に入れば悪い所がないです。
 しかし、実際に住むことや建て替えのことまで考えが及ぶようになると、怖くてとても買えません。
 少なくとも、一戸建てを希望している人には私程度でも知識が必要だと思います。学校で教育することは無いので、インターネットで普及させるのが現時点での最良の手段だと思っています。
 そうなれば、必然的に粘土瓦を選ぶ個人ユーザーや業者が増えるような気がします。各業界がマーケットを変えてしまう方法も拡販の一つではないでしょうか?
 ちょっと、自分でも何を言っているのかわからなくなってきましたが・・・

by こう (2008-07-03 21:02) 

kappa

非常に分かりやすい記事で、ためになります。
今回は販売者側の立場から記されていますが、購入者側から見ると、住宅建築業界は、「自分にとってのナンバーワン」を選び難い世界です。普通の商品であれば価格と機能とデザイン等々を簡単に比較できますが、住宅の場合は各社がオンリーワンを主張しつつ、価格を提示しませんので。
私は選びませんでしたが、タマホームなどのローコストH.M.がこれだけ売り上げを伸ばしているのは、安さ(コスト・パフォーマンス)No.1という透明性を打ち出し、閉鎖的な業界に風穴を開けたからだと思います。

シリーズの続き、楽しみにしています。
 
by kappa (2008-07-03 23:13) 

yanasan

難しいですね、私もいま模索中です
ブランドや価格だけでは選んで欲しくないと思っています。
by yanasan (2008-07-03 23:39) 

とりのさとZ

農家なのだけれど、消費者として私が一番よく行くのは、ホームセンターです。半島南端の2町には農協系を含めると3系列5店あります。
目当ての品は、消耗品が多く、用途がまず決まっているのだけれど、それよりも先に、買う買わないは別にして、どの店も全部商品を見回っています。そうして、あれはこの店で、これはあの店で・・・という買い方をしています。工具・農具などは仕入れる系列があるようなので、少しずつメーカーも異なり、質・形・原材料も異なるので、自分の作業ポリシーに合った物を時に数軒探し回るということもあります。
 来春、さらに大型の系列ホームセンターが町に開店するとかです。しかし、電動工具くらいになると、既存の町の店でメーカー品を買います。農業用資材は、ホームセンターしか置いていないものも多いです。困るのは、一番安いところが一番遠いのです。
 
by とりのさとZ (2008-07-04 05:17) 

たいせい

 わかって建築家 さん、天文観測を趣味としてかじっていた20年前、品揃えが揃っていて選べる店を探し回ったあげく、高速道路もまだ今ほど便利でなかった当時、名古屋よりも数倍遠い三重県松坂市の望遠鏡やさんにあしげく通っていたことがあります。
 当然その店は通常の商圏だけで商売は成立せず、確信犯でマニアックな方向性を出して近隣の府県からもお客を集めるマーケティングをしていたことになるとその後思い至りました。

 インターネットと交通網の発達で好むと好まざるとに係わらず、広域の競争に巻き込まれる世の中となりました。
 私たちメーカーもそうなのですが、そんな環境の中で「自社が何故選択されるのか?」、「もっと多くのお客様に選択いただける自社であるためにどうすればよいのか?」を、シンプルに考え施策を打って行かなくてはならない時代に入っていると最近思っています。

 nice! &コメント、ありがとうございました!
by たいせい (2008-07-04 10:00) 

たいせい

 mikeさん、ナンバーワン戦略が究極に上手く言った場合はオンリーワンなのですが、多くの場合なかなかそこには到達できず、また現実に成り立っている仕事の経営基盤を失うリスクを図らねば成らず、なかなか一気にそこに到達することは難しいと思っています。
 現実のお客様の購買行動は、例えナンバーワンとナンバーツーの差が僅かしか無かろうとも最終的に選択をするモノは一つである場合が大半であり結果としての差は非常に大きく、例え辛勝であろうとも僅かな差のナンバーワンをどれだけ多く獲得できるかが営業成績を好転させる決め手になる場合が多いと感じています。
(小選挙区制の場合、政党毎の支持率の違いが僅かでも獲得議席数の差にすると大差がつくのと同じような現象が起こります)

 私の場合は、以上のような状況下ででナンバーツーの逆転を許さないための戦略が、オンリーワン戦略だという考え方をしています。
 ただ、オンリーワン戦略はニッチ市場と結びついている場合が多く、その場合はニッチ市場の消滅や縮小という別の経営リスクも抱え、そちらに梶を切るかどうかも難しい選択である場合が多いです。

 リスクのより少ない状況を作りつつのオンリーワン。
 出来ると素晴らしいのですが、皆がそれを目標としているわけでもあり道はなかなか険しいですね。

 nice! &コメント、ありがとうございます!
by たいせい (2008-07-04 10:22) 

たいせい

 こうさん、販売戦略にはPUSH(販売店の貰う率を高めることで拡販)と、PULL(最終ユーザーにこのものが欲しいと言っていただく)があり、粘土瓦業界はこれまで住宅に瓦が使われるのは当たり前だとの前提の元でどこの会社もPUSHのみに力を入れてきました。
 うちの会社に着つても言うに及ばす、品質の良い瓦・防災瓦など高付加価値の瓦によってPUSH戦略を推し進めてきて、逆風かではありながらマーケットシェアについては一定の成功を収めてきたと自負していますが、建築業界全体の新築の現象や粘土瓦使用率の低下などの要因で、マーケット全体の縮小が続く中でこの方法の限界を感じてきています。

 一社の力では手に余りどうしようもないのですが、業界団体などで力を結集して最終ユーザーに引いていただける(PULL)様な仕掛けを行い、マーケット自体の拡大を図りたいものです。

 nice! &コメント、ありがとうございました!
by たいせい (2008-07-04 10:44) 

たいせい

 kappaさん、供給側の立場で言うと住宅業界の難しさは「出来上がったモノの評価が出来るのが数十年後になってしまう」と言うことだろうと感じています。
 だから新築時のデザインや居住性やコストなどの解りやすい指標に目がいって、それぞれのメーカーも自社が選択されるためにその点に注力した営業展開を見せています。
 そしてそれらの情報に沢山接したお客様も、それが家選びの全てででもあるかのように感じてしまう雰囲気が出来上がっていますね。

 仰るように、住宅の新規取得層に解りやすい選択ポイントを提示することが必要で、それによってお客様に指定していただける屋根材を目指さねばならないのですが、現在のうちの業界はせいぜい「粘土瓦の中で○○という良い特徴を持っている」「粘土瓦として初めて□□の機能を持った」と言うレベルで、起死回生の一手にはほど遠いと感じています。
 「どぎゃんかせんと、いかんばい!」です。

 nice! &コメント、ありがとうございます!
by たいせい (2008-07-04 11:09) 

たいせい

 yanasanさん、意識しているいないに係わらずおそらくどなたでも仕事をしていく上でやっていらっしゃるであろう事を、自分の頭の中の整理をかねて記事にしてしまった次第で少し恐縮しております。
 ただ文字にして記事にすることで今回改めて気付いたことも幾つかあり、定期的な頭の中の整理は必要ですね。

 混沌として余り良くないときであるほど、複雑な物事を整理して頭の中を単純化させないといけないと思っています。
 そしてもがいた結果に、次に繋がる道が見えてくるのでしょうね。

 nice! &コメント、ありがとうございました!
by たいせい (2008-07-04 11:20) 

たいせい

 とりのさとZさん、店選びなどはこうした微妙なバランスの上にどこで買うかの選択があって、どの店も経営的に成り立っているのだと感じます。
 私自身が物を買う場合も、同様にモノの種類によりそれを買う場合のナンバーワンをあれこれ考えて、買う店を決めていると感じています。

 20年近く前、ふとした気まぐれでマーケティングの本を斜め読みしていて、この「ナンバーワン戦略」成るものを発見して「ハッ」としたのを覚えています。
 以後、複雑な物事をシンプルに考えるための私のキーワードの一つになっています。

 コメント、ありがとうございました!
by たいせい (2008-07-04 11:28) 

浜松自宅カフェ

基本的にまったく同感です。
顧客目線で考えていけば良いと思いますが、セオリーを知っている方が
成功確率は上がるし、大負けし難くなると思います。
この話はオフ会の飲み会で少しだけ会話になりましたね?(笑)
僕の場合は考え方がシンプルなランチェスター戦略を基本にしています。
浜自カフェも製品開発もオンリーワンを探る事から始め、カフェの立地選定
にも影響しています。

何かで読んだのが印象的だったのが次の言葉。
「遠くからわざわざ来る店でないと、近くの人でさえ来ない!」
ごもっとも!
by 浜松自宅カフェ (2008-07-04 21:31) 

たいせい

 浜松自宅カフェさん、精緻な理論に依って構築された経営判断よりも、経験に裏打ちされた「勘」の方が正しいのではないかと思うことも良くあります。
 基本的に、マーケティング理論や経営管理の手法などは自分の頭の中にあるモヤモヤとしたものをまとめ他人に説明する(関連社員やお客様、金融機関など)のに必要なのであって、分析ばかりしていても、情勢が変わると前提条件が一瞬にして崩れ水泡に帰することも多いですね。
 私の場合は、混沌とした状況を整理し頭の中をシンプルにするための道具として使う場合が多いですが、その為には単純な道具の方が使いやすいですね。

 ただ問題なのは、その上でどんな具体的な施策が打ち出せるか?
 ゲームならばいろいろなことを試せますが、自分や従業員の生活もかかっており、道に迷ってばかりいます。

 nice! &コメント、ありがとうございました!
by たいせい (2008-07-05 08:31) 

reiko

山本大成さん、こんにちは。

消費者から立場からすると、ネームバリューに着眼しやすく、
品質とか耐久性まで考えない私にとっては、
このような角度からの見方があることを知りました。

また・・・
今~置かれている環境と違う記事だけに・・・
大変~興味深く~拝読させて頂きました~☆アリガトウゴザイマシタ・・・
by reiko (2008-07-05 10:23) 

アキラ

店売りに限って言えば、ネットは大きな商売ツールでしょうね^^
「コノお店、お客も少ないのによくやってるな~」と思うお店は大体ネット販売で実績を上げているようです。
一方、我が社のように工事を伴う商売は、非常に難しい時代になりました。口先だけで大きなお金を払わせる「詐欺まがいの訪問営業」の方が、遙かに多くの実績を上げています。
真面目にコツコツの時代は終わったのかな?と思うことも・・・
最近の「人」はすっかり変わってしまった印象が強い意ですね。

by アキラ (2008-07-05 16:08) 

たいせい

 reikoさん、様々なセミナーや講習で毎度思うのは、キチンと理解して応用も出来る講師の話は自分の言葉で語られていて、初心者でもプロでも興味深く聞くことが出来るというもので、この記事をそのように読んでいただけたことは自分自身の胃の腑にキチンと落ちているという事で、コメントを読んでホッとしました。

 商売の世界は結果責任で、どんなに遊んでいようとも利益を上げ従業員により多くのやり甲斐と給与をもたらすのが正しい経営者で、どんなに勤勉で真面目であろうとも商売を維持できないのがダメな経営者です。
 遊んで暮らして結果を上げられればこんな幸せなことはないのですが、この種の様々なことを考えながら藻掻いているのだと思っていただけると、幸いに思います。

 コメントありがとうございました!
by たいせい (2008-07-05 16:40) 

たいせい

 アキラさん、店売りについてもよほど特徴のありよそでは手に入らない商品を持っていない限り(マニアック路線)、ネットを商売に結びつけることはかなり厳しいとの印象を持っています。
 ネットの場合は所在地の距離が全く関係なくなり、国内全ての競争相手と戦わねば成らず、妹のやっている胡蝶蘭の販売などもそう容易いことではないようです。
 また一般店舗の場合だと、まだまだネットで情報袖手をして買い物をする方の数が必ずしも多くなく、想定する商圏内で自店の情報を見ていただける方がそれほど伸びず、必ずしも売上に結びついていないのではないでしょうか?

 私個人として思うのは、他の商品などの販売でもそうなのですが住宅に於いても「こだわり建築」の絶対数は多くなっていると感じています。(話題はローコストの話ばかりで、そちらの方に目がいきがちですが)
 何かの方向に特化しなくてはならないのでしょうが、特定分野でのナンバーワンが実現できれば(量ではなく質)、真面目にコツコツこだわり仕事の生きていく道はむしろ広がっているような気がします。
 詐欺まがいの訪問営業は、一時一世を風靡した「怪しい屋根リフォーム」が下火になってきたように、いずれ終わりを告げるのではないでしょうか?

 ただ高度情報社会の中で、こだわり仕事も競争が激しくなってその中を勝ち抜いて行かなくてはならないのが実情で厳しい競争の中には間違いないのでしょうが。
(前に話があったような、豚舎・畜舎などの世界が作りたいですね)

 メーカーとしても、その中で何かの明確でシンプルな方向性が求められているように感じています。
 道はなかなか険しいですね...。

 コメント、ありがとうございました!
by たいせい (2008-07-05 17:00) 

toyo

>基本はお客様にとってのナンバーワンを如何に獲得して、自社のモノを選択していただく

これは一言でいうとブランディングといえますか?
私もマーケティング関係のメルマガをいくつか読んでいますが、なかなか
コレだ!というのが見つからないというか結局は自分の脳ミソを絞るしかないんでしょうね。ああ頭が痛くなってきました。ほんとに道は険しいですよね。めげずにがんばるしかないんですが・・。
by toyo (2008-07-05 20:42) 

STEALTH

これはこれはこれは・・・・私も勉強になります。続きも大いに期待です。
by STEALTH (2008-07-06 08:49) 

nina

競争は厳しいです。
印刷業界では値段の叩き合いの結果、どんどん倒産してますしね・・・。
by nina (2008-07-07 00:00) 

夢空

松阪市のお店ですか(@_@)どこだろう☆
主人の職業柄、仕事の道具の修理や購入は腕のいい職人さんのいる奈良県まで足を運びます。これは、その業界だけの口コミだけの情報なんでしょうね。その業界のナンバーワン職人さんになりますね☆消費するだけの商品購入とはお店選びの基準は異なってくるでしょうね。
たいせいさんの記事で、またひとつ発想転換の業務形態を思いだしました。東山動物園のこともまだなのに^^;
by 夢空 (2008-07-07 10:24) 

たいせい

 toyoさん、ブランド・ブランディングに関しては、ナンバーワンである商品なり店舗があって始めて成り立つもので、私個人としてはほとんど重きを於いて考えてはいません。
 うちの会社に於いても防災瓦で「バッチリくん」なる、それなりに品質や性能について業界内で認知されている製品群を持っていますが(意図してブランドとして成り立つように育てました:ここ数年高級感を出そうとバッチリくんPLUSシリーズに転換しつつあります)、それがあるからといってナンバーワンとしてその製品が選択されるかというと必ずしもそうではなく、あくまでも選択されるのは別なナンバーワン要素だと思っています。
 しいて言うとするのならば、ブランドは性能なり品質を一括りにして「記号化」されたもので、他のナンバーワン要件を元にした販売戦略の中で、売り手側が道具として演出するもののように感じています。
 平均販売価格を上げる目的で、うちでは商品群のハイ・ローMIX(製品を高付加価値商品と普及版の二本立て)なる販売戦略を採ってきましたが、商品群を記号化することでお客様にとって解りやすい製品系列としていますし、どちらのブランドで新製品を出すかによってお客様にも解りやすい製品展開が出来ていると思います。

 浜松自宅カフェさんがコメントの中で「顧客目線」と言う言葉を使ってらっしゃいますが、私の場合はこの記事に書いた「ナンバーワン」が発想の基軸で、「この製品がヒットしているのは何がナンバーワンなのだろうか?」など、検討を進める場合の元になっています。
 私も一時、本を読んだりしてマーケティングの勉強をしていたことがありましたが、複雑な事ほどほとんど実態には使い物に成らず、自分なりに使いやすいシンプルな切り口でものを考えた方が実践的だと思うようになりました。

 nice! &コメント、ありがとうございました!

PS.
 コメントを書いていて思いました。
 ネーミング、ブランド、価格政策など、このシリーズは沢山ネタがありそうですね。
by たいせい (2008-07-07 11:45) 

たいせい

 STEALTHさん、メーカーは自社の思いでどのポイントをナンバーワンにするかどうかの仕掛けが出来ますが、会社毎の差が解りにくい特定の会社の代理店として営業をする場合にはなかなかそう言うわけに行かず、営業マンのの人間性なり人柄なりの差によって選択される場合が多く大変な仕事ではないかと拝察いたします。
(その分、メーカーは博打打ちでもあるわけですが)
 私の場合仕掛け作りに志向が向いておりこんな考え方をしていますが、同業者や当社の営業マンでも人間性で好成績を上げている様子を見ると、とても真似が出来ないと頭が下がります。

 nice! &コメント、ありがとうございました!
by たいせい (2008-07-07 12:11) 

たいせい

 ninaさん、印刷業界におけるナンバーワンというのは何になるのでしょうか?
 納期・デザイン力・少部数対応等になるような気もしますが、今のような過当競争になると「価格」というファクターが大きそうですね。
(私自身、ネットでの少部数印刷の比重を上げています。ちょっとしたものならIllustratorで自分でデーターを作ってしまいます。)

 瓦業界もそうなのですが、そうした状況でもなおかつ自社の仕事が維持できるように、突き抜けられるような差別過去ポイントが見つかると一番良いのですが、なかなかそうはいかないのが実情ですね。
 自社に於いても様々な施策の結果、工業統計や組合統計での和瓦の出荷推移を20%近く上回り平均販売価格も上げられる決算が出来たものの、燃料費をはじめとする諸元材料の高騰と言う状況下で焼け石に水で、青息吐息の今日この頃です。
 まこと世知辛い世の中です...。

 nice! &コメント、ありがとうございました!
by たいせい (2008-07-07 12:34) 

たいせい

 夢空さん、今もやっているかどうかはよく解りませんが、松阪市のアイベルという名の望遠鏡やさんでした。
 当時は名古屋に行っても眼鏡店やカメラ店の片隅の望遠鏡コーナーしか見たことがない私にとって、店内のほとんどのスペースが望遠鏡だったことに驚いた記憶があります。
 今思えば街の眼鏡屋さんが望遠鏡を店頭に置いたのは、商圏内で売上の掘り起こしを図ろうという観点だったのに対し、この店は望遠鏡に特化することによって既存の顧客を捨ててでも広域の商圏を確保したと言うことだろうと思い至ります。
(当時天文雑誌の広告による通販を盛んにやっていらっしゃいました。)

 林業に於いてもかつては考えられなかった○○杉・□□ウッドなどと木材の質を中心に訴えた営業展開が成立するようになってきましたね。
 うちも何とかしなくては...。

 nice! &コメント、ありがとうございました!

PS.
 記事も楽しみにしています。
by たいせい (2008-07-07 12:47) 

スミッチ

私は家電関係はエイデンで買っていたのですが、近くにケーズができてそちらに流れてしまいました。一番近いからという理由ですね。日本酒や焼酎はマニヤックな品が入る三河高浜近くのマルアで買ったりしてます。
by スミッチ (2008-07-09 12:39) 

たいせい

 スミッチさん、その辺りの地域ですとスーパーもアオキスーパーが新規参入して、高浜側にバローが出来るなどの激戦地区ですね。
 バローとヤマナカ(高浜)の地主がいずれも旧知なのですが、スーパーの競争はドミーやアオキスーパー(高浜店)、チッキ密着型の大型八百屋の八百湛などが入り乱れ高浜では大変なことになっています。
 お酒は私もマルアさんをよく使わせていただいており(JCの先輩でもあります)、ひゅっとしたらお目にかかったことがあるかもしれませんね!?

 コメント、ありがとうございました!
by たいせい (2008-07-10 17:36) 

reiko

山本大成さん、今晩は。

業界の事は、良くわからないものですから。
コメントできずにいましたが、

素晴らしい~ご家族の写真を拝見させて頂き、
尚一層~山本大成さんの人柄に触れたようです。

独り身の私は、少しでも肖りたい~~~そんな思いで、
拝察しておりました~~。(素晴らしい~☆)
by reiko (2008-07-21 17:32) 

たいせい

 reikoさん、プライバシーのないBLOGでお恥ずかしい限りです。
 BLOGを初めて一年ぐらいは、「子育てネタ」と言えども何らかのメッセージ性とテーマをと思い記事を書いていたのですが、何時しかその枷も外れて「純粋親バカ自己満足記事」と化してしまいました。

 私は結婚したのが30代後半と比較的遅く、同窓会などで集まる同級生とは一世代の差がついてしまいましたが(孫がいる同級生もあります)、40だいなら40代なりの子育てもあるはずと、自分なりに試行錯誤で子育てに取り組んでいます。
 reikoさんのような教職員や保育士などの、子供達に常に接するお仕事の大変さも、この年になって解るようになりました。

 コメント、ありがとうございました!
by たいせい (2008-07-22 12:19) 

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