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建築基準法「4号特例廃止後の確認申請情報」「廃止日程の白紙撤回」(数日表紙に出します:平成19年6月20日建築基準法改正) [平成19年建築基準法改正]

 建築基準法改正4号特例廃止に関する、私のオリジナルルートからの情報による記事なのですが、先週末のUPで、その後新しい記事を二本書いたこともあってウィークデイには表紙にいませんでしたので、あえて数日間の間一番頭に出しておきます。

 私自身は瓦という一建材メーカーの人間に過ぎず、構造設計の実務に明るくありませんので、おかしな点やご意見ご感想など、是非コメントいただけると嬉しく思います!

(私自身が勉強になります。どんなつまらないことでもコメントは大歓迎です!)


 昨年6月20日の建築基準法改正がらみで、前に4号特例の廃止について記事を書かせていただきましたが、「廃止日程の白紙化」と、未確認ながらも「廃止後の確認申請」についての情報が入りましたので紹介させていただきます。

    木造建築の危機「4号特例廃止」(大工さんは何故黙っているの?)
    
http://blog.so-net.ne.jp/kawaraya-taisei/2007-11-25


 まず始めていらっしゃった方のために「4号特例」についてなのですが、4号特例というのは、昨年の建築基準法改正時に構造計算の必要がないと定められた2階建て・面積500㎡以下の比較的小規模な木造建築物に対する例外規定のことを言います。

 一般的には普通の木造戸建て住宅として認識していただければ良く、従ってこのカテゴリーに於いては当初申請書類の変更などによる混乱はありましたが、現在では比較的順調に確認申請が行われています。

 ただし改正当初の国土交通省の発表では、平成20年末(つまりは今年末)での4号特例の廃止が打ち出されており、木造建築の構造計算が出来る設計士は100人に1人もいらっしゃらないことから、昨年の建築基準法改正以上の「官製不況」がまた起こるのではないか?と、建築関係者は戦々恐々としております。


 

「4号特例廃止後の確認申請」

 有る信頼のおけるルートよりの情報ですが、4号特例の廃止後も壁量計算など従来の構造設計法での申請が可能な方向で申請方法の検討が進行しているようです。

 具体的には、規定の申請シートの記入を行うことで平成12年改正時建築基準法-仕様規定の範疇で壁量計算・4分割法・偏心率比較的簡単に算出出来るフォーマットを定め、従来の構造設計法での判定が行えるように検討が進んでいるとの情報を得ました。


 もともと、能登地震や中越沖地震などの大規模地震被災地現地調査を通して、従来の構造設計手法で何ら問題はなく、問題があるとすると手抜き工事やシロアリや結露による構造材の腐朽の方だと思っていたこともあり、申請書類は変われども現状のままの設計方法がそのまま運用されそうな情報に、賛意を示させていただきたいと思います。

(これで問題は、中間検査や完成検査の厳格な実施による手抜き建築の防止に絞られそうです。:ただ、これでは伝統構法は救われないのですね...。)

 とは言っても、私は一介の瓦屋で構造計算法については「門前の小僧習わぬ経を読む」といった程度しかよく解っておらず、おかしな事を書いているかもしれません。

 一応は私の耳に入ったオリジナルな情報をそのまま書いたつもりですが、従来の確認申請の書式や実際の設計に通じているわけではありませんので、この方法が有効であるかどうか?も含めて、正直言って私には判断しかねます。

 もし何か気がついたことや、この方法の有効性についてのご意見、別の情報など有りましたら是非ともコメントいただけるようお願いいたします。


 参考までに、壁量計算・4分割法・偏心率についての関連HPを幾つか紹介しておきます。

   建築確認申請-住宅サポート建築研究所
   
http://www.house-support.net/topix/kakunin.htm
   (今回の建築基準法改正以前の内容だと思いますが、表の中から仕様規定の「必要壁量」や「壁のバランス(4分割法・偏心率)」などの詳細ページへのリンクがあります)

   壁量計算-住宅サポート建築研究所
   
http://www.house-support.net/seinou/hekiryou.htm

 


 

 

「4号特例廃止日程の白紙化」

 今年年末に行われる予定だった4号特例廃止の日程がどうやら白紙撤回され、運用日程が大幅に伸びることになるようです。

 国土交通省は、一連の制度見直しで打ち出した確認・検査の4号特例の見直しについて、2009年以降に施行する考えを固めた。12月19日に開催した社会資本整備審議会の建築分科会基本制度部会(部会長:村上周三・慶応義塾大学教授)で明らかにした。6月20日の改正建築基準法の施行に伴う混乱を踏まえた措置だ。
(以下のHPから抜粋)

    【改正建築士法】「4号特例の見直し時期は周知状況を見て判断」、国交省が法施行のスケジュールを示す|ケンプラッツ 12月20日
    
http://kenplatz.nikkeibp.co.jp/article/building/news/20071220/514423/
    (登録・ログインが必要かも?)




「私たち1人1人に出来ること」

 「4号特例廃止日程の白紙化」に関しては、まだその後の運用日程と、それに至るスケジュールの発表がなされていないことからまだまだ油断は出来ませんし、「4号特例廃止後の運用」についても、正式ルートからのアナウンスがあったわけではなく油断は禁物です。

 今年末に起こることが規定事項であった「新たなる建築業界の官製不況」が、このような形でソフトランディングに向かいつつあるのは、昨夏以降の確認申請の滞りに対する関連の各職域から巻き起こったシュプレヒコールの結果です。

 お役人や国会議員の方たちは現場を知らず、自分たちが出した政策が、現場に於いてどれほどの深刻な影響を与えるかについての認識が欠如していると言うことが、昨年半ばから露呈しても居ます。

(特に私たちの声を行政官僚に伝えるべき代議士は、4号特例の廃止と言っても何のことだか解らないという方たちが今でも大半です。)

 

 今は、時あたかも年始のシーズンで、私たちそれぞれが属する業界団体の新年会や会合で(または直接の後援会など)、国会議員の先生方との接触が一番多い時期でもあります。

 選挙の時だけ利用される業界団体ではなく、私たちの声を国政の場に伝える業界団体と代議士先生でなくては、存在意義は有りません。
(選挙の度だけこき使われている中小建築業者や業界団体なんて、絶対におかしいです。)

 日程の白紙化後を見当している今の段階で、国土交通省に対して直接、もしくは代議士を通して圧力を掛けることは、「自らの仕事を守るために私たち1人1人が実際に出来ること」だと思います。

(仮に代議士の先生方が内容の理解までは出来ずとも、国土交通省の役人に対し先生方が「4号特例の廃止とは、いったい何の事なのか?」と聞いてくださるだけで、お役人に対する牽制になります。:全国で4~5人の先生方が質問していただけるだけでも十分な圧力です。)


 今やらねば、後に悔いを残す結果に成りかねません。

 私自身、可能な限りそうした活動を行いたいと考えていますが、このBLOGをご覧の方でそんな場面に遭遇する機会のある方は是非ともご協力お願いいたします。

 

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PS.
 ようやく法改正に対応した構造計算ソフトが発表され筒有りますが、少なくともマスコミは事の本質を理解してはいないようです。(恐らく、国会議員の先生方の認識も同じ程度でしょう?)

 この件に関する関連記事のあるBLOGを、数点紹介させていただきます。

    建築構造士のひとり言 -明日のために- ”構造計算ソフト”試行版
    
http://uenosono.seesaa.net/article/77275438.html

    構造屋さんの「よもやま話」-絶対に解決しない
    
http://blog.livedoor.jp/tkk3/archives/51775608.html

    いわいわブレーク -お試しソフトで総て解決?[建築不況]断章
    
http://blogs.dion.ne.jp/ivanat/archives/6678987.html

 

PS2.
 このBLOGの、「建築基準法改正関連記事」です。

    建築基準法改正と瓦の出荷減。関係有りや?無しや?(戸建て住宅着工減:平成19年6月20日改正建築基準法)
    
http://blog.so-net.ne.jp/kawaraya-taisei/2007-08-28

    首相交代と建築基準法改正後の混乱解消(公明党の素人大臣は勘弁して!)
    
http://blog.so-net.ne.jp/kawaraya-taisei/2007-09-18

    福田首相所信表明演説。建築基準法改正問題·高耐久住宅に言及(建築確認の滞り・200年住宅)
    
http://blog.so-net.ne.jp/kawaraya-taisei/2007-10-03

    自民党国土交通部会の国土交通大臣への申し入れ(建築基準法改正後の確認申請の大混乱)
    
http://blog.so-net.ne.jp/kawaraya-taisei/2007-10-10

    建築関連中小企業に対するセーフティーネット(建築基準法改正・確認申請の滞り:金融支援)
    
http://blog.so-net.ne.jp/kawaraya-taisei/2007-10-11

    ニチアス・東洋ゴムの耐火偽装、ゼネコンの手抜き工事の根本要因?
    
http://blog.so-net.ne.jp/kawaraya-taisei/2007-11-14

    木造建築の危機「4号特例廃止」(大工さんは何故黙っているの?)
    
http://blog.so-net.ne.jp/kawaraya-taisei/2007-11-25

 


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コメント 28

日頃、nice及びコメント頂きありがとうございます。
新建築基準法の問題には困ったことです。一度、決めた法律の一部を白紙若しくは延長するなどの無様をさらけ出すぐらいなら、新建築基準法全てを白紙に戻し、現場の意見を尊重した法律に検討すべきですね。
by (2008-01-11 16:06) 

たいせい

 一真さん、この記事のニュースソースはうちの業界と近い方が(つまりは木造在来工法をそれなりに評価下さっている方)、4号特例廃止後の申請書式の作成に関わっていることから、又聞きで入手したもので、それなりの信憑性はあるものと考えています。
(ただし、お役人の手を経ることでどう変わってゆくかは予断を許しません。)

 改正の全面的な白紙化、私も大賛成です。
 あまりにも多く深い傷の一つ一つに絆創膏で応急措置をするかのような場当たり的な対応に、些か辟易としています。
 一日も早い官製不況の沈静化を、願わぬ日はありません!
(資金繰りが限界に達する前に...。)

 nice! &コメント、ありがとうございました!
by たいせい (2008-01-11 16:39) 

アキラ

4号特例廃止後の確認申請については、私も「そうは変えられないだろう」と思っている一人ですが、はっきりするまでは楽観視はできません。
仰るとおり、これからは中間検査や完成検査が重要になるとは思いますが、私が住む地域の行政では、4号建築物についての中間検査もありません。完成検査は、基礎高・隣地境界からの離れの他、違法に小屋裏等を作ってないか等の検査で、手抜き等は見抜けません。
私の会社は「((財)住宅保証機構」に加盟して、10年補償に対応していますので、行政より数段厳しい中間検査を必ず受けます。
しかし、10年補償に対応するべく、第三者機関に加盟している建築会社は全体の10%程度だそうですから、「世の中には、まともな家はない」と考えた方がいいかも知れません。
食の安全ばかりが叫ばれていますが、実は住まいの安全はお寒いばかりなのが実状です。
by アキラ (2008-01-12 10:11) 

kozo83

たいせいさん、ど-もです。

4号建築ですか。はっきり言って私は木造には関わっていないのであまり情報ありません。
これから出来る”構造設計一級建築士”が関わっていれば今までと変わらず計算書の添付は不要。という噂も。
ただこれには条件があり、構造設計一級建築士が監理まで請け負うこと。

しかし.....
1.設計料が安い
2.木造に不慣れ
3.改正基準法に不勉強な現場が多い
これらの理由から請け負う人は少ないと思います。

少なくとも壁量計算+N値計算くらいは義務付けるべきかと思いますが。
by kozo83 (2008-01-12 12:31) 

木造構造物の構造計算、大変なようですね。
知り合いのお寺さんが境内の池にかかってる木造の橋(人道)を老朽化に伴い架け替えたいけど・・・・と相談を持ち込んでお見えになりました。
(私がもと業界人なので)
役所に相談したら、構造計算を出せ!と言われて、とてもコマっていました。
結局、公園とかに使う既製品を紹介しておきましたけど・・・・
by (2008-01-12 13:19) 

toyo

恥ずかしいですが私はまったく構造計算等については無知です。
私の周りの大工さんからもそういう話は聞いたことがないので大工さん自身も詳しくは知らないのでしょうか?
それでもたいせい様の記事で、なんか大変なことが起こりかけていることはわかりました。こういう法改正って地震の教訓からなんでしょうか?
それとも大企業を国は優先したいからなんでしょうかね?
地震のときもその「判定の仕方」に一時随分地元では不満が噴出してやり直しなんてことがあったのですが・・・。泥縄って感じがしましたが。
by toyo (2008-01-12 13:58) 

たいせい

 アキラさん、私もそうは変えられないだろうとは思いつつも、昨年の法改正の様子などを見ていたら、不安でたまりませんでした。
 仰るように、今回のような法律の縛りをきつくすることではなく、性能保証制度や保険制度、或いはそれによる財産価値の上昇による金融機関の金利の低減(当然財産としての価値は上がりますので)などの方策で、確かな建物を価値として認められる方向に持っていく方法の方が本筋だと思っています。
(一時、住宅金融公庫が屋根の施工方法による災害への耐力について、私たちのところまで出向いて独自の試験などをしていらっしゃったことがあり、好ましく見させていただいたものです。)
 やはり、「安い物には、安い理由がある」「高い物には訳がある」という普通の買い物では当たり前のことを、建物の世界にも適応できるような啓蒙に、国やマスコミは取り組んで欲しいです。

 コメント、ありがとうございました!
by たいせい (2008-01-12 15:03) 

たいせい

 kozo83さん、今回の4号特例廃止日程の白紙撤回には、建築士制度の改定も密接に結びついているとの話も耳にしました。
 参議院での与野党逆転で法律がまともに通らなくなり、当初予定していた諸制度がの実施が危ぶまれている事によるとの話でした。

 何にしても、国土交通省から正式にアナウンスなり発言が出てしまった後では、お役人にもプライドがあり(役人のプライドよりも国民の生活の方が大事なはずなのです)そう簡単に撤回されることはなくなりますので、「噂話」の今こそ声を上げるタイミングなのだと感じ、この記事もあえてこの時期にUPしました。

 平成20年が、木造建築終焉の年とならぬように祈っています。
 コメント、ありがとうございました!
by たいせい (2008-01-12 15:10) 

たいせい

 STEALTHさん、それと同様なことが伝統構法の世界では起こっているようです。
 確認申請にに百万円以上かかり、それもそんじょそこらの審査機関では受付すらしていただけず、県境をまたいで書類を出すなんて話になっているようです。
 今回の建築基準法改正は、入り口からして何かが間違っているように感じています。

 nice! &コメント、ありがとうございました!
by たいせい (2008-01-12 15:17) 

たいせい

 toyoさん、少なくとも今回の建築基準法改正は、前に記事で書いたことがありますが、耐震対策とかではなく姉歯事件という確信犯での詐欺事件に対して自らの責任を言われて逆上したお役所が、自己防衛のために考え出した改正としか私には思うことが出来ません。
(「これだけ厳しい審査としたのだから、私たちには関係がない」「審査を通した検査機関を指導しておきます」と言いたいだけの改正)
 確信犯で法の編み目をくぐるものは、仮に編み目が厳しくなろうともさらなる抜け穴を探すだけのことで、偽装対策にはなっていません。

 そもそも、自ら言い出した法改正であるのに施行日にはまだ何も準備がされていなかったなんて、どだい話にも何もなりません。
 まさにドロナワです...。

 nice! &コメント、ありがとうございました!
by たいせい (2008-01-12 15:25) 

こう

 伝統構法が救われなければ、日本の住宅の将来はありませんね。
 というか、日本の伝統的な技術・文化・芸術などを軽視する感覚が浸透すると、日本の将来がありません。
by こう (2008-01-12 16:25) 

たいせい

 こうさんの仰るとおりだと思います。
 福田首相は200年住宅などと言い出していますが、実際の日本の気候風土で200年の耐久性を実証された構法は伝統構法以外に存在していません。
 ハウスメーカーのよくやる新しい構法や建材は、せいぜい20年くらいのフィールドテストしかされておらず、特に耐久性という観点では年々何らかの問題が発生して、それに対処するために更に新しい信頼性の確証のない建材や構法を次々と使っているというのが実態だと思っています。

 実に悲しくなってしまいます。
 nice! &コメント、ありがとうございました!
by たいせい (2008-01-12 17:21) 

nina

ニュースでしか知りませんが、何か事が起こった際に政府や役人が「これだけ規制したのに守らなかったヤツが悪い」と責任逃れするための法かなぁ、なんてイメージがありました。
建築に関しては知識がありませんので詳しい事は分かりませんが、当事者であるたいせいさんたちには死活問題ですよね。
by nina (2008-01-13 17:57) 

たいせい

 ninaさん、本質的にはその通りで、「これだけ規制したのに守らなかったヤツが悪い」と責任逃れするための法律だったと、私も思っています。
 そして結果は、確信犯で法の編み目をかいくぐる悪質業者の、「これだけ厳しい確認申請が通ったのだから、こんな安い家でも大丈夫!」の世界が広がっていく気配を感じています。
 正に「官製不況」。
 自己防衛のために行った法改正ならば、せめて施行前に十分な準備くらい、しておいて欲しかった...。

 この事件と、思いの外好評だった瓦屋根関連の専門分野が思いの外好評で、昨年後半よりこのBLOGの雰囲気が変わってしまいました。
 早くこの一連の問題にけりがつき、元の路線に戻すタイミングを、ここ暫く探っています。
(とは言っても、自分にしか書けない記事であり、行くときはどこまででも行きますが...。)

 nice! &コメント、ありがとうございました!
by たいせい (2008-01-14 16:27) 

plusgate

 「4号特例廃止日程の白紙化」は予想されていたことですが、
前回の改正時の混乱と国がどう向き合っているのかが次の改正でわかると感じています。どちらにしても楽観視はできないですね。
by plusgate (2008-01-17 11:10) 

mike

自分の首を絞めかねない事で、かつ、ご批判を受けるかもしれませんが、私は“4号特例廃止は賛成”です。

もともと、小規模で不特定多数の居住でない住宅といえども、何らかの構造的チェックがないのは、設計側も審査側も無責任すぎます。

実際問題、設計側はそんな費用をもらえないとか、審査側も業務が増えるなどの見解があるでしょうが、打開策はあるはずです。
設計側の話で、費用(設計料)のUPは、根本的命題で、かつ、現実的には一番の難題であります。
言葉は悪いですが、多くの設計者(建築士、建築家)は「安くてもまともなものを作る」で、業務をしています。(心無い、ごく一部の無法建築士によって、建築業界が震撼していますが…)

4号特例の現在でも、確認申請に提出せずとも、多くの設計者は軸組計算はしています。
基本的な理解、習熟は必要ですが、設計のプロとして、必要以上の莫大な作業ではないはずです。
この方法で、実際の構造計画は問題ないはずです。
新たに、過大な構造計算を求めず、軸組計算を継続し、これを義務化するのは建築、それも設計の筋だと思います。
後は、これを現場に反映させる制度がさらに求められます。

>「安い物には、安い理由がある」…

設計において、この理由を安易にあてはめるわけにいきません。
(私見ばかりで、すいません)
by mike (2008-01-18 12:33) 

たいせい

 plusgateさん、とりあえず今年末の大混乱は回避できそうなので、少しほっとしています。
 次の改正については、建築士法の改正も絡んでいるようで、今の国会の状況では、形式的な「建て主の保護」の方に触れてしまいそうな雰囲気を感じていますが、昨年の改正のようなことにはなって欲しくないと強く思っています。
 恐らく、お役人側の思惑としては、昨年の法改正で最低水準の底上げをはかり、次の改正で性能表示制度の拡充を図る絵を描いていたように感じていますが(福田首相の所信での「200年住宅」への言及などから)、現時点で到達しているはずの状況という前提が大きく崩れていますし、お役人や国会議員が現場を知らない事による問題点なども噴出したわけで、全く予断を許しません。

 できれば、地場で責任施工を標榜していらっしゃる「こだわり建築」の担い手の事を考えた改正であって欲しいのですが、 さらなる官製不況だけは、何とかして欲しいです。

 nice! &コメント、ありがとうございました!
by たいせい (2008-01-18 12:45) 

たいせい

 mikeさん、4号特例廃止後の実際の確認申請の事務が明らかになっていない今、昨年から続く確認申請事務の混乱に木造建築全てが巻き込まれてしまうことに対して、強い恐怖心を持っていました。
(少なくとも、またお役所の準備不足で業界的には何の前進ももたらさない運用の変更が本当に今年末で行われると大変な事態だと感じていました)

 私の方も私見なのですが、震災や台風などの現地調査に実際に赴いて感じるのは、確認申請のあり方以上に手抜き建築の防止の方が遙かに緊急な課題だとの思いを持っており、その意味で確認申請よりも「中間検査」や「完成検査」、或いは「抜き打ち検査」の確実な実行の方が、木造建築に於いては遙かに実効性を伴い緊急に手を付けなければならない措置だと今でも思っています。
(ただし、これら検査を何のごまかしもなく確実に行うためには比較材料が必要で、最終的には確認申請のあり方に関わってきますが。)

 もし私の入手した情報が、そのまま今春から夏にかけて公開されて実施されていくとすると、当初懸念していた従来の設計手法が使えなくなるのでは?という心配に対する評価できる答えであり、当初の不安に対しては一定の答えになるように思い、あえてこの時期に記事として書かせていただいたような次第です。

 そしてそれが、中間検査や完成検査と有機的に連動していくのであれば、建物のレベルアップや業界が再び信用を獲得するためにも、多少の苦しみは建築業界として乗り越えていかなければならないハードルであると考えています。
(本当は、構造計算書の添付やそれによる保証制度・保険制度などで、御施主様に付加価値として認識していただく事が、正当な費用を認めていただくことにも繋がり、最良の方法だと信じています。)

 その意味では、可能な限りソフトランディングを配慮して法改正や制度改革に望んで欲しいとは思いますが、mikeさんの仰りたいこととさほどの違いはないと思っていますがいかがでしょうか?

 nice! &コメント、ありがとうございました!
(厳しいご意見や、指摘なども「大歓迎」です。問題点の洗い直しになりますし、何よりも私にとって非常に大きな勉強の機会となっています)

PS.
 >「安い物には、安い理由がある」の件ですが、厳しい審査を通ったからOKと「安かろう悪かろう」の建物が横行することを心配しています。
 家電製品などでもそうなのですが、安い物でも必ずしも悪いものばかりではなく、設計的な配慮によって結果的に安く売ることが出来ているものも実際に存在しています。
 「安い理由」をきちんと説明でき、御施主様に納得いただいた上での価格であれば良いと思っています。
(今は、その部分がなおざりになっているケースが多いような気がしています。)
by たいせい (2008-01-18 13:56) 

浜松自宅カフェ

仕事に忙殺されていてコメントできませんでした(ほぼ連日、0時過ぎ)。
4号特例廃止の延期はとりあえず良いニュースだと思います。
だけど、まだ安穏としてはいられません。
昨年、木構造の権威である元東大の坂本先生(現、慶応大教授)に
壁量計算の妥当性について質問しました。
結論としては、阪神淡路の震災により引っ張りによって倒壊する
メカニズムから盛り込まれた規定により、中越地震でその意義が
証明され、4号建築物ならキチンと施工されていれば、構造計算に寄らず
とも壁量計算で十分な強度があることが実証されました。
軸組構法と言っても、実際は耐力面材によるモノコック構造であり、
十分な水平耐力があるわけです。
むしろ、建築基準法のコンセプトは「建築、設備等の最低基準」であり、
建築基準法さえ通っていれば必要十分な構造耐力があるものと
間違った解釈をされていることの方が問題だと思っています。
by 浜松自宅カフェ (2008-01-18 21:23) 

kameplan arch

はじめまして、山本様。
4号特例の廃止については当方もほとんどが4号木造なので、注目しているところです。
静岡県では県条例により,壁量計算書の添付が義務づけられていて、その基準も基準法×1.32倍と定められています。
しばらくはこれが当たり前と思っていたのですが、他県では基準法通り添付必要なし,添付しても返されるという事が続き、驚いたものです。
肝心の設計事務所でさえ,壁量、偏芯、N値、水平構面の計算ができないというトコロもあり,「やらなくていいんじゃないの」という風潮も一部にはあります。ここの所が問題だと感じています。

ここ数年、木造の様々な実物実験を垣間みるチャンスがあり,その現場に立ち会えば立ち会う程「木造は奥が深い」と感じさせられるばかりで,基準法ギリギリの設計では、背中に冷たい汗をかく事が来るのではないかと感じています。
現在主流の耐力壁に期待する「強度型」木造には,梁のサイズはもちろんの事,耐力壁の強度とバランス,引き抜きに抵抗する金物の適正配置が必須です。伝統工法は柱、梁,差し鴨居と垂れ壁によるラーメン効果を期待した「靭性型」木造ですが、この靭性型にはほとんど基準が無く,実験データを見ても木の強度とサイズ、仕口強度に依存する部分が大きく,現在の目視等級主流の木材流通ではなかなか難しいかな,と感じています。
だからといって,昔から受け継がれた構造そのものが悪いのではなく,ただ構造要素の幅が広く、突っ込んだ研究が進んでいないためにそのようになっているのであって、一概に否定,阻害されるものではないとも思います。
e-ディフェンスの実験映像を見てもその違いは明らかですし,坂本先生やその他木造に明るい構造の先生からは、木造の可能性を広げるためには,一概に「木造軸組」で括るには無理があるのではないか、という見解もでています。最近では貫や木格子、土塗り壁の耐力壁倍率の告示追加という流れからも,靭性型の木造も見直されてきていると思います。
効率的な戦後復興のために比較的単純な強度型木造が主流になってきましたが,その前より累々と引き継がれてきた靭性型木造がその影で追いやられているというのも事実ですが、性能を明らかにして設計するという面では,現実的には靭性型には少し厳しさも感じます。
法改正や景気に左右されがちな昨今ですが,建築に携わるものである以上,お施主さんが安心して住める建物を造るという意味では,構造種別の違いは無いのではないかと思っていますし、基準法も性能規定という割には明確ではない部分も多いです。
最終的には「お施主さんのために」であるはずですから,手続きばかりの小手先の法改正を繰り返すのではなく、根本から考え直す時期に来ているのではないかと感じます。
by kameplan arch (2008-01-18 23:58) 

4号特例廃止問題は中小設計事務所は死活問題になるかもしれません。というのもそもそも4号しか設計していない設計事務所が大多数を占めているのが業界の現状であると思います。そして4号建物ほど予算も工期も厳しい。そして工務店のような小規模設計施工を手がけているところは実際の現場での作業よりも書類つくりの手間が増していってしまい、工期や品質を圧迫してしまう可能性があると思います。つまり、今までは一番施主に密着していると思われていたスタイルのところがお客さんでなく書類密着型になってしまいます。
最近、工事の入札をしていて思うのですが、私の地方で工務店と建設会社に同じ設計図を渡して見積もりした場合、工務店に分があることがわかりました。そして驚きの工務店社長のセリフ
『うちは諸経費なし、設計料タダです。』
そんなの怖くて任せられません。
by (2008-01-19 15:05) 

たいせい

浜松自宅カフェさん、本文中にも書きましたが実際の震災被災地に足を運んだ私見でも、従来の構造設計手法である「壁量計算」でも大きな問題はなく、むしろ手抜き工事の発見や、構造材の腐朽・虫害などの耐久性維持のための設計に当面の主眼を置くべきではないのか?との思いを持ち続けています。
 この記事で書かせていただいたような情報がだんだん出てきて、ソフトランディングに向けての絵が書かれつつあるとは思っていますが、4号特例廃止後の実際の手続きについての情報は、まだ正式ルートからのものでは無く、引き続き注視してゆきたいと思っています。

 建築基準法のコンセプトは「建築、設備等の最低基準」との件、仰るとおりだと思います。
 「信頼性=付加価値」の世界を築き上げるために、次の改正では再び「性能表示」等の考え方が取り入れられ、一般への十分に告知されることを期待しています。

 nice! &コメント、ありがとうございました!
by たいせい (2008-01-19 15:40) 

たいせい

 kameplan arch さん、初めてのコメントありがとうございました。
 建築基準法について根本から考え直す時期に来ているとのご意見、私も全くその通りだと感じています。
 特に今回の改正は、姉歯問題に端を発したわけですが、民事による詐欺事件だという側面を離れ、あまりにも過激に反応しすぎたように感じられるのと、お役所の責任逃れと感じられて強い違和感を持っています。
(少なくとも、御施主様のためとは感じられません)

 構造設計に関して私は開くまでも門前の小僧で、詳しい知見までは持ち合わせてはいませんが、在来の木造建築(伝統構法?)の可能性という点については、もっと評価されてしかるべき物だと考えています。
(強度の数値化、第三者による評価という点では非常に辛いようですね)
 また、北海道を除くほとんどの県に三州瓦を出荷していることもあり、県毎での設計基準や建築基準法の運用の違いを実感することがままあり、違和感を感じてもいます。

 ただ、実際の震災被災地を幾つも現地調査させていただく幸運に恵まれ現場を踏んでいて思うのが、手抜き工事やシロアリや腐朽による構造材の劣化による倒壊が思いの外多いことで、一般的な木造住宅についてまず第一に問題にすべきは、「手抜き工事の撲滅」「耐久性(特に結露対策)の評価」の方を、最優先で手を付けなければならないと考えています。
 つまり、建物の信頼性を上げるには、制度として「中間検査」や「完成検査」を確実に行う(場合によっては「抜き打ち検査」)改正が最優先であり、それなくしては法改正の実効性を確保できないと感じています。
 そしてその後、順を追って理想の状況に近づけていくと言った流れが本来の姿なのではないでしょうか?

 その意味で、私が施行以前にどうなるのかについて大きな興味を持っていたのは、「中間検査の実施についてどのくらい真面目に行われるか?」ということであり、大きく期待を裏切られたと感じている点でもあります。

 仰るように「お施主様のため」と言う観点で、仕切り直しをしていただきたい物です。

PS.
 実験棟の材の提供や施工についての意見を業界として出したりといった活動の一環で、国の大大特関連の振動試験で数度E-defenseでの試験に立ち会いました。
 震災被災地の調査でもそうですが、E-defenseでの振動実験本当に多くのことを感じさせてくれます。
(カテゴリーの屋根には「瓦」に、報告書を幾つかUPしてありますので、興味がありましたらお読み下さい)
by たいせい (2008-01-19 17:02) 

たいせい

 ヒゲボーズさん、仰るような現況よく解ります。
 特に建て売り専門業者などは、屋根の世界でも平気でとんでもないことが行われている場合があるとの感想を持っています。

 結局、法で縛ることよりも行政に考えていただきたいのは、そのような業者の建てた家と、真面目にやっている建築業者が建てた家との差が表面化する仕掛けを作ることだと感じていますが、なかなか難しいですね。
 すくなくとも、真面目に建築に取り組んでいる者が報われる制度でなくては、木造建築の未来はなくなってしまいそうです。

 nice! &コメント、ありがとうございました!
by たいせい (2008-01-19 17:09) 

BAJANE+1515

大成さん、コメントが遅くなり申し訳ありません。
4号特例についての様々なご意見を拝見でき、なるほどと思っています。

僭越ながら2点について申し上げます。

4号に該当する木造は(建築区域は言及しないとして)階数が2以下、かつ延床面積が500㎡以下、かつ高さが13m以下、かつ軒の高さが9m以下のものを言います(法6条第4号)

また、構造計算の必要がないのではなく、構造計算の提出が不要とされているだけです(法6条の3第3号、令10条第3号)
mikeさんもおしゃっていましたが、提出の義務はなくとも、せめて壁量計算程度はやって、耐震性の確認をするのが適切だと思います。

私は在来工法に余り興味がないのですが(ごめんなさい)、それでも全くない訳ではないので他人事とも言えませんね(笑)
大成さんがおっしゃるように、構造の種類より手抜き工事や維持管理の方が問題だと感じています。

壁量計算については、キチンとすれば耐震性の証明にはなると思います。
ただ、安全限界に至る変形角が小さいので、設計以上の地震に遭遇した際には、金物や構造体を緊結している釘が抜け、構造用合板や筋交が外れ耐力がなくなってしまいます。
それなら設計基準を上げてガチガチにすればいいかというと、これはコストにも空間設計にも跳ね返る話ですので悩ましいですね。

中国の地震報道を見ると、建物の耐震性がいかに大切か理屈抜きでわかるのですが、どれくらいの地震力に照準を当てるかが問題になります。
実績として30年に満たない寿命しか持たない建物に、500年に1度起こる可能性のある地震に照準を持ってくるのが果たして最善なのかどうか…
居住性や経済性抜きでいい家は作れませんから。

4号特例の話には関係ないかもしれませんし、かなり悲観的な話ですが、耐震性と居住性と経済性を全て満たするのは至難の業だと思います。
ほとんどの設計者は常に全方向満点を目指していると思いますが「こちらを立てれば、あちらが立たず」と、現実は厳しいものがあります。

私の想像ですが、4号特例は2009年以降もしばらくは廃止にならないと思います。
仮に廃止になっても壁量計算が何らかの形で残るのではないしょうか?

国や地方自治体など役所は「木造住宅のような小規模なものに手間を掛けたくない」というのが本音だと思います。
4号物件の構造計算チェックなんて「やってらんね~」と思っているはずです。
自分達の責任逃れが目的なので、どこかにその道を見出すのでしょう。

支離滅裂ですが、お許し下さいませ(汗)









by BAJANE+1515 (2008-05-17 22:05) 

たいせい

 BAJANE+1515さん、ここに来て特例廃止についての見直しを否定する情報なども出だして、国土交通省は本当に建築業界をどうしたいと考えているのかが問われる時期が来ているように思っています。

特例見直し否定ー改正建築基準法!:人間と環境に優しく、安全家づくり:So-net blog
http://kazusin.blog.so-net.ne.jp/2008-05-15

 研究サイドでは、ようやくここに来て伝統構法を定量的に評価する方向に動いてきているようですが、まだ具体的な設計指標となるところまでは来ておらず、昨年の建築基準法改正や予定される4号特例の廃止などで、研究成果が形になる前に伝統構法の息の根が止まられてしまう様な雰囲気を感じています。
 (構法などは全く素人なので、的が外れていたら申し訳ありません)

 時に先日ふと思いましたが、伊勢神宮の式年遷宮は昔のままの構法で毎回建て直されると聞いていますが、確認申請などはいったいどうなっているのでしょうね?

 コメント、ありがとうございました!

PS.
 ご指摘ありがとうございました。
 修正しておきます。
by たいせい (2008-05-19 15:30) 

わかって建築家

4号特例がなかろうとあろうと、構造の検討は必要だと感じています。

瑕疵担保責任保険により、伏図の提出が今後求められるので、設計者はJ平面図と立面図と簡単な断面図と矩計だけというわけにはいかない場合があるかと思います。というのも、プレカットがほとんどの現在ですが、プレカット伏図がない場合は、設計者が書かなければいけないからです。

自分は、お年をめされた先輩設計士より、プレカットに頼るなと言われたことがあります。

設計者は「絵」だけ書いているように見られる要因の一つに、そのような本当の技術的な部分を書かないことが一面にあります。

4号特定白紙は、業界に混乱を招かないで一段落でしょうが、設計者としては、あらためて構造の重要さを認識すべきなんです。
by わかって建築家 (2009-06-23 11:18) 

たいせい

 わかって建築家さん、この記事を書いたタイミングは建築基準法が施行され、ついで当面適応外であった四号特例廃止の日程とその後の方法論をを手中に収めなければならない時期の記事であり、それらの趨勢がほぼ確定した現在とは違う状況下での記事であることをご理解下さい。

 前回の建築基準法改正はいわゆる姉歯事件などの強度偽装をどう防止するかという観点で国会で検討されましたが、当時関心を持って国会での審議に注視していましたが議論されていたのは主にRCの高層建築のみで低層の木造建築についての審議はほぼ皆無だったと記憶しています。
 しかしながら改正建築基準法の施行が近づき様々な手続き等が明らかになるに従い、低層の木造住宅についても多大なり影響があることが判明してその年の建築業界は大打撃を受けました。
 そもそもこれが間違いの始まりで、実現可能なプランによって日本の建築レベルを向上させるための改正ではなく、国土交通省がこれだけやったのだから自らには責任がないと言うためのアリバイづくりではないのか?との観点で、一連の建築基準法改正がらみの記事を書いてきました。
 つまりはソフトランディング可能な形でのプランを行政当局は立案して、業界を交えた議論によって建築のレベルアップをするべきではないのか?と言うのが基本であるつもりです。

 また粘土瓦業界としての調査団の一人として数多くの地震被災地を実際に踏みましたが(近日中にカテゴリーを整理しますので「地震報告書」カテゴリーの記事をお読み下さい)、実感したのは平成12年改正後の物件はおろか新耐震以後の建築物であればまず地震による被災は起こらず、むしろ施工の手抜きやシロアリによる虫害・腐朽などの構造材の劣化によるものが大半(断熱の不備による結露が遠因)だと実感したことで、仕様規定などの従来の設計手法であっても実用レベルではほぼ大丈夫だとの確信を持ったことにも由来し、これまで手慣れた方法をこの段階で大きく手を入れさらなる混乱を引き起こすようなことに
大きな抵抗を感じていました。
 他の一連のシリーズ記事のどこかで書いた記憶がありますが、この時点で大きく運用を改めなくてはならないのは、4号特例の廃止ではなく行政を含む第三者機関による紙の上ではない現地調査であったと今でも考えています。
 その後瑕疵保険の関連での図面整備や、長期優良住宅該当建物に対する審査など、現在では状況は大きく変わっているのはご承知の通りです。

 とても愛着のある過去記事の一つですので、コメントありがとうございました!

PS.
 一連の記事で多くの建築関係者とコメントのやり取りをさせていただいた中で、4号特例の名の下にこれまで壁量計算すら行われていない物件があったと知り、正直驚きました。
 これもどこかの記事で書きましたが、4号特例廃止後の申請書類のひな形を作っていらっしゃる方の話をうかがう機会があり、シートに記入することで構造壁の位置と壁倍率・編芯率・四分割法での検討などが行える形での新製法が出来上がりつつあったようです。
 この時点での短兵急な4号特例廃止は業界に何ももたらさないと感じていましたが、なし崩し的にこれらの検討も消えつつあるのを残念だと感じています。

 壁量計算を構造計算と言わないという意見でしたら、私とは意見が異なることになりますが。
by たいせい (2009-06-23 13:34) 

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