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200年住宅と瓦(超長期優良住宅:200年の実績のある屋根材は瓦以外存在していない) [200年住宅]

 ここの所あわただしく、記事の更新がなかなかはかどらず失礼いたしております。 

 今回は「200年住宅(超長期優良住宅)」について書かせていただきます。

 こんな200年住宅が建つようにしたい

 

 国土交通省の事業である「超長期住宅先導的モデル事業」(200年住宅)がいよいよ動き始めます。

 「長期優良住宅の普及の促進に関する法律案」が国会に提出されていますが、民間の智恵の結集という意味合いも含み先行して今年度予算の中から130億円の支出が「超長期住宅先導的モデル事業」として決定しており、4月の初旬からの募集で今年度、先導プランとしてのモデル住宅の建設が始まるようです。

 聞くところに寄ると130億円の正体は一棟当たり200万円の補助金×6500棟(?)で、今年度限りの補助金ではなく5年間にわたって同規模の予算が組まれることが既に決まっているようです。

 また、今のところ情報面ではハウスメーカーなどの大手が先行しているようですが、決して地場のビルダー設計者の手に届かない物でもないようで、積極的な情報収集により出来るだけ早い段階で手がけることが出来れば、将来にわたる仕事の確保にも繋がりうるのではないかと思っています。

(情報収集だけでもキチンと行っておけば、来年度以降も続く措置なので今年該当する建物が建てられなくとも来年以降にもその情報は生きます。)

 また、元々高耐久の家を建てていらっしゃる方は、一物件当たり200万円の補助金によりお施主様に低いハードルで建てていただくことが出来る可能性があります。

 

 私の方でもメーカーとして情報は集めていきますが、瓦を使った200年住宅のモデルを何とか早期に打ち立てたいとの思いもあり、一緒に調べて取り組んでみたいとの話があれば是非やってみたいと思う次第です。

(粘土瓦業界として、材料や工法に関する検討会も立ち上がりつつあります)


 

 私が200年住宅との言葉耳にしたのは、福田首相初の所信表明演説の中で触れられていたのが最初で、正直言って唐突な印象を受けました

福田首相所信表明演説。建築基準法改正問題・高耐久住宅に言及(建築確認の滞り・200年住宅)
http://kawaraya-taisei.blog.so-net.ne.jp/2007-10-03


 自分なりに調べたところ「200年住宅」との言葉は、自由民主党-政務調査会-住宅土地調査会(当時福田康夫会長)が出した200年住宅ビジョンが元になっており、内容を紐解くと私には違和感の感じられる物でした。

200年住宅ビジョン-概要(PDF)
http://www.jimin.jp/jimin/seisaku/2007/pdf/seisaku-007a.pdf
 
200年住宅ビジョン-詳細(PDF)
http://www.jimin.jp/jimin/seisaku/2007/pdf/seisaku-007b.pdf


 と言いますのが200年住宅という言葉の中で私が感じたのは、現実に日本の気候風土の中で長期間残っている実績のある建物は木造の伝統構法で建てられた家で(イメージは嬉しいことに瓦葺き)、それをベースにした物だろうと感じられたことに寄ります。

(最近よく建てられているハウスメーカーの新構法・新建材の家は、コストや営業利益優先で作られており、特に経年変化による様々な問題が多く、対象外という感じを受けました。)

 ところが実際に200年住宅ビジョンを読むと、5年ごとの定期メンテナンスをしながら維持管理費を使い持たせる家という意味で、むしろハウスメーカーやプレハブメーカーにとって取り組み易い家という雰囲気が感じられました。

 


【200年住宅の基本的な考え方】

  •  個人の財産としての価値が超長期にわたって維持されるとともに、世代を超えて循環利用される「社会的資産」であること
  •  建設時から超長期にわたる維持管理の仕組みが内在されていること


【200年住宅の備えるべき性能等】

  •  構造躯体(スケルトン)と内装・設備(インフィル)が分離され、スケルトンについては耐久性・耐震性、インフィルについては過変性が確保されていること
  •  維持管理の容易性が確保されていること
  •  次世代に引き継ぐにふさわしい住宅の質(省エネルギー性能、バリアフリー性能)が・確保されていること
  •  計画的な維持監理(点検、補修、交換等)が行われること
  •  周辺のまちなみとの調和が考慮されていること


構造躯体(スケルトン)と内装・設備(インフィル)の分離
スケルトン&インフィル.jpg 


 現に社団法人日本住宅生産団体連合会(以下:住団連)小冊子「What’s200年住宅?:住まいの長寿命化ってなぁに?」屋根に関する項目を見ると10年に一度程度の再塗装30年ごとの葺き増し(カバールーフ?:屋根材の上にもう一層屋根材を葺き足す?)などの屋根にとって余り好ましいと思われないメンテナンスが前提となっており、新生屋根材金属の屋根をメンテナンス次第で、だましだまし200年保たせられるかのような指針が今のところまかり通りつつあります。

(他の建材も同様です。構造躯体以外は短い周期でやり直しが前提のようです。)

 

 屋根に関しては日本の気候風土の中で現実に200年というスパンで耐久性が実証されているのは粘土瓦以外にありません

 雨露を凌ぎ中に住まいする人や家本体を守るという意味で、瓦に勝る屋根材は今のところ存在しておらず、他の屋根材20年前に売られていた物は結局耐久性がないと判明し現在は全て新しい材料へと変わっています。
(今売られている新生屋根材や金属屋根が20年後同じことにならないとの保証がどこにあるのでしょうか?)

 よく言われる耐震性についても構造躯体の若干の配慮で対応でき、最近の構法で施工された瓦屋根ならここ数年来の地震や加震実験で耐震性能についての実証も済んでいます。

「瓦屋根は地震に弱い」は、正しくない!?(阪神大震災)
http://kawaraya-taisei.blog.so-net.ne.jp/2007-03-13 

 もっとも新生屋根材金属屋根茅葺き屋根こけら葺きのように考え、数十年に一度の葺き直しを前提だと考えれば使えることになりますが、どちらがコスト的に有理か?、野地板や構造躯体に劣化を与えないか?は自明の理です。

(ハウスメーカーが力を持つ住団連が主導権を持つと、こうなってしまうのかもしれません?)

 

 屋根材以外でも、現実にハウスメーカーやプレハブメーカーなどが先行して進めてきた日本の気候風土の中で使用実績のない新構法や新建材は、新築当初に想定していなかった様々な問題点が数十年経つと露呈して結露による腐朽経年変化などの問題を引き起こしている事例が多く存在しています。

 何よりも200年住宅には、最低限20年以上の使用実績で実証された物しか使えないくらいの基準で考える必要があるのではないでしょうか?

計画的な維持管理

 部品・部材に応じて、計画的な維持管理(点検、修繕、交換など)を実施(部品・部材ごとの耐用年数の例)
基礎・床・壁・小屋組.jpg
システムバス.jpg
開口部.jpg
配管.jpg


 

 基本的な考え方として、現在のシステムでは住宅はどんな家であれ20年経つと担保価値などの残存価値が無くなってしまいますが現実にはその後も長期間住むことの出来る家は十分存在しており、それを第三者の立場で価値を評価できるようなシステム作りというのが基本で、現行の性能表示制度新設の住宅履歴書(点検やメンテナンス・リフォームの履歴を記録)が軸となり、これらの取得に関する優遇税制や住宅の価値にあわせた金融措置(長期ローン・リフォームローンなど)中古住宅市場の活性化街並みの育成などにより促進を図るということになります。

 もちろん次世代省エネ基準バリアフリー環境評価(CASBEE評価)などの延長線上にあるものと思いますが、キーワードとして無垢の木材メンテナンス性飽きの来ない外観という観点も含まれているようで、地域材を用いた木造建築(○○杉の家など)にとっても追い風になりうると感じています。

 瓦にとっては、ライフスタイルの変化による間取りの自由度という観点で不利な要素もありますが、それでも補って余りあるだけの信頼性木造住宅には有ると感じています。

屋根材を選ぶのは、軽さではなく、30年以上家を持たせられるかどうか!!で....。
http://kawaraya-taisei.blog.so-net.ne.jp/2007-06-18

夏涼しく、冬温かい「瓦屋根」(屋根材による夏季・冬期の熱環境)
http://kawaraya-taisei.blog.so-net.ne.jp/2007-06-20


 今のところハウスメーカーやプレハブメーカーが先行して様々な取り組みをしているようなのですが、国土交通省からの詳細発表後規模の大小を問わず横一線での先行事例構築競争が始まると予測しています。

 少なくとも来年度予算と同様の補助金拠出今後5年間にわたって既に決まっているようですので、まち場の工務店設計事務所にとっても、何らかの事業展開がありうるのではないかと思っています。

太陽光発電がそうであったように、立ち上がりの何年かは先行事例を持っているところが圧倒的に有利になります。また、先行して情報収集等に取り組んだことは来年度以降も有効で、決して無駄にはなりません)

 

 聞くところによると、今週(4月9日)に国土交通省から詳細な発表があると言うことらしく、その後の情報交換がしたい方や先行事例を作りたい方がいらっしゃいましたら、是非気軽にお声がけください

 また、一緒に取り組める可能性がありましたら、是非ご一報下さい!

  こんな200年住宅はいかがでしょうか?

 

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「参考」

住団連-超長期住宅システム小委員会報告(PDF)
http://sumai.judanren.or.jp/seisaku/page02-13/003.pdf

住団連-住宅の長寿命化(200年もたせる住宅)を実現するための提言
http://sumai.judanren.or.jp/seisaku/life.pdf

国土交通省-超長期住宅先導的モデル事業に関する評価を行う者に対する補助事業の開始についての公示
http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/seido/chouchouki.shouco2/200nenkoji.html


長期優良住宅普及促進法案の国会提出
『長期優良住宅の普及の促進に関する法律案』が2月26日に閣議決定され、国会に内閣提出法案として提出されました。

概要(PDF:住団連HPから)
http://www.judanren.or.jp/200/pdf/tyouki01.pdf
 
要綱(PDF:住団連HPから)
http://www.judanren.or.jp/200/pdf/tyouki02.pdf
 
法律案・理由(PDF:住団連HPから)
http://www.judanren.or.jp/200/pdf/tyouki03.pdf
 
新旧対照条文(PDF:住団連HPから)
http://www.judanren.or.jp/200/pdf/tyouki04.pdf
 
PDF版 参照条文
http://www.judanren.or.jp/200/pdf/tyouki05.pdf

 

瓦に関しての関連記事

「平成19年新潟県中越沖地震」瓦屋根に関する報告書(平成19年7月16日 新潟県中越沖地震:柏崎市・刈羽村)
http://kawaraya-taisei.blog.so-net.ne.jp/2007-08-23
(粘土瓦から見たここ数年に起こった地震関連の報告書へのリンクがあります)

業界紙へ寄稿「屋根の重要性の再認識こそが、粘土瓦そして和瓦の復興につながる」
http://kawaraya-taisei.blog.so-net.ne.jp/2007-12-13
(粘土瓦の振興について)

瓦研究会(和瓦の振興・全陶連:全国陶器瓦工業組合連合)
http://kawaraya-taisei.blog.so-net.ne.jp/2007-10-29
(粘土瓦の振興について)

 

 

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kappa

子供の入学式で休暇をとり図書館からアクセスしています。

200年住宅。
古いものを大切にする気持ちが大切だと思います。
大抵の外装材や住宅設備は寿命がはるかに短いでしょうから、交換しやすいようなフレキシブルな構造も必要でしょうか。

言うまでもなく、数十年のスパンで考えれば瓦の優位性は動かしがたいものがあるでしょうし、200年以上に建築されて現存している建築物も大いに参考になると思います。
by kappa (2008-04-08 13:22) 

plusgate

200年住宅、去年あたりからSE構法が動いています。まだ詳細はわからないんですが、スケルトンインフルの重要性をいろんな方に再認識して頂ければと思います。

by plusgate (2008-04-08 14:05) 

STEALTH

200万円の助成金の上積みで200年もつ住宅が出来るなら、実に素晴らしいことだと思います。
ヨーロッパに街なみのように年数がたつと味がでる外装材とかが普及してくるといいと個人的には思います。
by STEALTH (2008-04-08 21:13) 

浜松自宅カフェ

200年住宅って、単に物理的に持つと言うものではなく、SI住宅も対象に
しているのは判るのですが、何となくしっくりこないです。
(勿論、耐久性があり、保守性に優れることに疑念はありません)
ただ、、、超々少子高齢化に向け、ストックが余る社会にあって、
物理性能だけで評価するのは、現在の住宅性能表示制度と同じですよね。
僕が提起したいのは、有り余る家の中で結果欲しい住まいは何なのか?
瓦を使っても天然スレートを使っても、或いは杮葺き(こけらぶき)でも、
或いは16坪程度の小規模住宅であっても、「住みたい!」と思う住まい
であることが重要だと思うんですよね~。
by 浜松自宅カフェ (2008-04-08 21:35) 

tsk

200年住宅といわれても、一般の人はピンとこないし、無関心ではないでしょうか?
住む家は、借家にせよ必ずあるにもかかわらずです。しかも毎日住んでいるのにです。
なにが長持ちする素材なのか、そうでないのか?
なにも情報として頭にないですから、ハウスメーカーなどのいいなりです。

食育もそうなのですが、なにがどう良いのか小さいころから聞かされていないことには、判断ができないです。
食べ物だったら、今日は今日はこれとこれにして、それだけだと偏っているから、これも入れてなんて考えますが、これもなんとなくでも情報が頭にインプットされていないとできないのです。
今日は体が疲れているのでこれをたべよう。とか

住宅も、触ったり、体験したり、住んでみたりも含めた経験、町並みや歴史や季節を含めた情報や経験。なにが良いものか、何がよさそうなものなのかの意識ができてこその200年住宅ではないでしょうか?

栄養をちゃんと取るだけならビタミン剤でもいいのですが、そんな食事は何もおいしくありません。
人によって、おいしいと思えるものもちがいます。

いろいろな200年住宅が、長く使うということの意識として、日本人に浸透していく存在となってほしいですね。
by tsk (2008-04-09 02:38) 

たいせい

 kappaさん、BLOGのにお邪魔させていただくと引っ越し後なかなかnet環境が整わずにフラストレーションを溜めていらっしゃる様ですね。

 私が200年住宅に当初違和感を感じたのは、メンテナンスや増築をしながら長い時間建物を使い続けるというのは実は昔から行われていることで、現存する多くの古い建物はそうやって残ってきているはずなのに、なぜいまさら200年住宅なのだろうか?と思ったことにあります。
 裏を返してみると、最近建てられている多くの建物は増築などに配慮されておらず、耐久性を20年程度に区切ってコストダウンに注力した結果出来上がっている家が如何に多いかを示していると言うことではないかと感じています。

 お施主様の家を建てられる意識が「耐久性」に向かい、数十年経った後も残存価値が認められてそれに伴う金融措置や優遇税制が有るのはとても良いことなのですが、いまのところ200年住宅がハウスメーカーやプレハブメーカーのセールストークの中で使われるだけになりそうなのを危惧しています。
 そうでなければ、無垢の木材や粘土瓦などがもう少し生きやすい世の中になるはずなのですが...。

 nice! &コメントありがとうございます!
by たいせい (2008-04-09 08:24) 

たいせい

 plusgateさん、SE構法は200年住宅に対して本当に筋の良い構法ではないかと素人ながら感じています。
(私が聞いている幾つかのキーワードに見事に合致して感じられます)
 構造や耐久性に多くのお施主様の目が向くようになればよいのですが、ハウスメーカーのプランド力の強化や原材料の高騰での高コストへの言い訳に使い捨てられそうな危惧も感じています。
 昨年の基準法改正でミソを付けた国土交通省お役人の、お手並み拝見と言うことになるのかもしれません?

 nice! &コメント、ありがとうございます!
by たいせい (2008-04-09 08:32) 

たいせい

 STEALTH さん、本当に200年保つ家が建てばよいのですがお施主様に耐久性についての観点を持っていただいた上で、実際にそれを選択したいと思っていただけるような環境作りこそが、本来この政策を進める意図なのでしょうね。
 実際にそれが出来れば、経年変化で味の出るような素材が好まれるようになるのでしょうし、本物志向が高まる素地にも成るように感じます。
 単にうさんくささを感じるのではなく実際にこれから始まる政策ですので、何とかこの期運に瓦の存在価値が認められるような仕掛けを考えてみたいと思っています。

 nice! &コメント、ありがとうございました!

PS.
 この記事ではほとんど触れませんでしたが、「200年住宅ビジョン」には何時までも住みたくなる街並みの育成や、長いスパンで計画されたインフラの整備・維持管理なども触れられています。
 これらとリンクして進んでいけば、日本中によい街並みが育つかもしれません。
by たいせい (2008-04-09 08:46) 

たいせい

 浜松自宅カフェさん、私も正直言ってしっくり来ていません。
 実際に200年間世代を超えて住むことを想定した場合にも、それぞれの段階ごとに考えた場合には決して最適な家ではないように思います。
 そもそも現在の価値観で建てられた家が、果たして50年100年経った場合に陳腐化せずに改装して住みたい家である保証もどこにもなく、現に伝統構法で建った古い家は家自体はしっかりしていても現在の家とは思想が違い、決して住みたい家ではないように感じています。
(土地の立地の問題もあります。住環境は数十年で変わってしまいますので...。)

 ただこれを切っ掛けに。本物志向や、耐久性に関するお施主様の意識の向上が起これば、日本の住宅ももう少し変わってゆく切っ掛けに成っていくのではないかと期待しています。
 価格だけのステージでの競争が住宅業界全体に蔓延していると感じていますが、少しでも変わって欲しいです。

 nice! &コメント、ありがとうございました!
by たいせい (2008-04-09 09:00) 

たいせい

 tskさん、仰るように一般のお施主様の意識は200年住宅と言っても一棟当たり200万円の補助金と優遇税制によって、そうではない家に比べて同じ金銭負担でより付加価値のある家が建つ可能性があると言う程度に留まるように感じます。
 ただこの機会に、住宅に関する耐久性やメンテナンス費用や数十年後の不動産としての残存価値が表面化して、結果として確かな素材のみが使われる家が増えればよいと思い、自分に出来る範囲でそれをバックアップしたいと考えています。

 もともと耐久性の高い家というのはお施主様の意識にあったはずで、現在残る古民家なども耐久性を考えて良い材料を使い、増築や家族構成の変化などをあらかじめ考えて配置や間取りが考えられていて、だからこそ古民家の多くは現在まで残ったと言うことだと思います。
 忘れられていた価値観を、再び現在に蘇らせる切っ掛けになって欲しいです。

 nice! &コメント、ありがとうございました!
by たいせい (2008-04-09 09:14) 

toyo

「私が200年住宅に当初違和感を感じたのは、メンテナンスや増築をしながら長い時間建物を使い続けるというのは実は昔から行われていることで、現存する多くの古い建物はそうやって残ってきているはずなのに、なぜいまさら200年住宅なのだろうか?」

この問題の本質は、上記のたいせい様のコメントに集約されているように思います。ほんとになぜ今更なんでしょうね?
でも基本的に200年住宅はいいことだと思いますので(細部に問題はあっても)様子をみることにします。
by toyo (2008-04-09 21:26) 

iruma_w

いきなりなんで200年を打ち出したか意味不明?
今、日本家屋の寿命は30年40年
まあ100年住宅位にしておけばいいのになぁ・・なんて。
現存している200年の住宅を見た事があるのだろうか?
100年だって大変な事だ。
一般瓦だって200年は無理。
永遠の物なんてこの世に無いと思います。
耐久性=フリーメンテナンスと思ったら大間違い!
と思うのです。
by iruma_w (2008-04-09 21:45) 

まつもっくり

「nice!」ありがとうございます。
う~ん、考えさせられますなあ・・・。
それにしてもこの記事のボリュームに脱帽しました!
by まつもっくり (2008-04-10 08:42) 

たいせい

 toyoさん、昨年の福田首相最初の所信表明演説ではじめて「200年住宅」成る言葉を聞き、自民党の出した「200年住宅ビジョン」を読んで私が思ったのは、toyoさんと同様に「何故今更200年住宅なのだろう?」という胡散臭さでした。
 ただハウスメーカーやプレハブ業界で構成されている住団連が主導し現実の制度として動き出しているのを見て、本来これは責任施工を標榜する地場の工務店の仕事であるはずで、こちらの手に少しでも取り戻さなくてはいけないのではないかと思ったというのが、この記事を書いた切っ掛けです。
(本来、瓦にとっても筋の良いはずの政策だと思ったという下心も、正直言ってあります)
 今のところ断片的な情報ながら制度を自分なりに調べてみると、幾つかのハードルはある物の、決して地場のビルダーや工務店にとっても手の届かない制度ではないと感じられ、少なくとも議論の上では地域材や無垢の木材などのキーワードも登場しており、取り組みの仕方によっては木造建築全体の牽引役になる可能性すら感じることが出来ました。
 少なくともコスト最優先で耐久性やメンテナンス費用などを度外視しつつあると感じられる住宅業界に、耐久性やメンテナンス性などの価値観を定着させることが出来れば業界も大きく変わるかもしれません。

 考え方や取り組みの仕方に違和感は感じますが、動き出すことが決まった政策ですので肯定的に捉えて、やれることは皆やってみたいと考えています。
 nice! &コメント、ありがとうございました!
by たいせい (2008-04-10 09:16) 

たいせい

 iruma_wさん、私の200年住宅に関する考え方は記事やコメントでも書きましたが、胡散臭さ半分、コスト優先から耐久性やメンテナンス性優先に変わる切っ掛けになって欲しいと言う思いが半分と言ったところです。
 仰るように瓦屋根と言えども200年のスパンで実際に考えた場合に、他の屋根材と比べれば長いスパンになりますが当然メンテナンスは不可欠である事は言うまでもありません。
 ただ現段階で住団連が行っているような、10年単位で再塗装30年単位でカバールーフ等というコストもかかり本当にそれで大丈夫か?の実証もされていない力業に頼らねばならない屋根材ではありません。
 これは屋根材に関する一例ですが、他の部材や工法に関しても同様のアプローチがまかり通りかねない雰囲気も感じています。

 100年住宅ではなくあえて200年住宅を唄ったのは、ハウスメーカーなどで100年住宅をキャッチコピーに使っているところが現実にあり、それよりも本格的な取り組みなのだということを伝えたい政策的なネーミングだと感じています。
(余談ながら、某ハウスメーカーが粘土瓦に対して100年の保証を打ち出すからよろしくとの話があった際に、私の同業者である瓦メーカーが抵抗したら先方の担当者はこう仰ったそうです。「大丈夫!、大丈夫!」「100年経ったらお施主様も生きていないし、ボクも君も生きていないから!」「殺人事件でも時効は30年。だれも責任は問われないから言った物勝ちだよ!」)
 私が一番期待しているのは、耐久性やメンテナンス性という意識がお施主様の志向に広がることです。

 コメント、ありがとうございました!

by たいせい (2008-04-10 09:35) 

たいせい

 まつもっくりさん、私の性格の成せる技か?胴も記事が長くなってしまい恐縮です。
 BLOGをはじめて1年10ヶ月経つのですが、最近の傾向は専門的で濃い記事を書けば書くほどヒット数が増える傾向があり、なんやかやで調子に乗ってしまっています。
 個人メディアと開き直り内容のある記事を目指してはいますが、純粋親バカネタなどのたわいのない記事もありますので、気が向いたときにでもお立ち寄り下さい。

 nice! &コメント、ありがとうございました!
by たいせい (2008-04-10 09:42) 

mike

“200年”と、表向きのお題目はいいのかも知れませんが、やはり若干の疑問というか、違和感を拭えていません。
メンテナンスの内容や頻度です。
スクラップビルドをなくしたのでしょうが、的を射ていないメンテであれば、それに無知な消費者から、儲ける手段をすり替えただけかもと、頭をよぎる今日この頃です。
by mike (2008-04-10 11:48) 

たいせい

 mike さん、200年住宅に否定的に受け取られるのが嫌であえて書かなかったのですが、20年を超えても不動産としての財産価値が残ることに対する固定資産税や、材料の高騰に喘ぐハウスメーカーが坪単価を上げるために仕組んだ筋書きも、少し見え隠れしていると感じています。
 ただ現実の推移と私たちの受け取り方がどう有れ、昨年の建築基準法改正の目的が国土交通省が言っているとおり「最低基準の引き上げ」で有るとすると、今回の「200年住宅」は、2000年の「住宅の品質確保促進法」による「性能表示制度」の発展番だと捉えられるのかもしれません。

 せっかく高耐久とメンテナンス性を打ち出すのですから、「200年住宅」に恥じない内容に育って欲しいと思っています。

 nice! &コメント、ありがとうございます!
by たいせい (2008-04-10 12:42) 

アキラ

先日は折角お声をお掛けいただいたのに、お応え出来ませんで済みませんでした。
今後、新築は依頼があればやらせていただく程度に考えて、全く違った方向性を打ち出すべく努力している矢先でした。
近い将来には、ブログその他でも発表出来ると思います。

私は「野地板にベニヤを使う現在の屋根」には賛成し難いのです。
何年か前に、神社の屋根の改修を請け負いました。
瓦を全て下ろして、野地板を張り直して新しい瓦に取り替える工事でした。
杉の荒板が野地板に使ってありましたが、地元の長老に聞くと、もう100年以上経っているとのことでした。
杉板は全く腐ってはいなくて、一部を取り替えただけで、殆ど再利用が出来ました。
ベニヤが100年保つことは絶対にありませんから、仕上げに瓦を使う、金属板を使うなどと議論する前に、屋根はそこから考えるべきだろうと思っています。

by アキラ (2008-04-10 18:48) 

しょうたく

手前味噌ですが。。。
住宅産業研修財団が主催してる「真の日本のすまい」設計競技にて、
「伝統構法200年住宅」として提案して林野庁長官賞賞を取りました。
無論、屋根は瓦屋根です。
住宅産業研修財団のWEBに掲載してあります。ご笑覧ください。
http://www.hic.or.jp/compe/05/jushou.html
by しょうたく (2008-04-11 22:01) 

たいせい

 アキラさん、野地板の件は同感です。
 そして屋根材が瓦であればさほど心配しなくとも良いのでしょうが、同様の意味で、現在主に使われているアスファルトルーフィングも本来ならば杉皮か透湿性ルーフィングなどの透湿する素材を使うべきではないか?と考えています。
 今のところ漏れ聞こえる範囲では、200年住宅の進もうとしている方向は、ともするとそれらの建材の耐久性などは度外視して、構造材(スケルトン)以外は全て交換可能にしておき、10年単位でメンテナンスや交換を行うことにより無理矢理高耐久をうたうような雰囲気を感じています。
 国土交通省側の意向は必ずしもそこにあるとは思われず、その意味でもハウスメーカーやプレハブメーカー以外の200年住宅への取り組みがとても大切で、責任施工を標榜する工務店・ビルダーがこの施策を前向きに捉えて取り組めるかどうかで住宅業界が大きく変わるように感じています。

 nice! &コメント、ありがとうございました!

PS.
 国土交通省のHPを見ると、モデル事業の提案の募集(平成20年度第1回)が昨日より始まったようです。

超長期住宅先導的モデル事業の提案の募集(平成20年度第1回)の開始について-国土交通省HP
http://www.mlit.go.jp/kisha/kisha08/07/070411_2_.html

by たいせい (2008-04-12 08:42) 

たいせい

 しょうたくさん、はじめまして。
 「伝統構法200年住宅」見させていただきました。(業界的に、藤岡瓦というのが目を引きました。)
 前の方のコメントでも書かせていただきましたが、今回の「200年住宅」への取り組みに関して、責任施工を標榜していらっしゃる各地の建築の担い手がどれだけ多く積極的に捉え行動を起こされるかが、今蔓延する「低価格」以外の「耐久性」などの価値観をお施主様に今一度思い起こしていただくための大きなポイントではないかと感じています。
 このような建物が出来るだけ多く、今回のモデル事業で表に出てくれると素晴らしいと感じました。

 私の方は建築の専門科ではなくあくまでも三州瓦という一建材のメーカーで、本来の仕事の守備範囲を多少逸脱したことなども含めて関連の記事を書いています。
 自分自身の勉強にも成りますので、異論反論等も含めてお気軽にコメントいただけると嬉しく思います。
 コメントありがとうございました。
 今後ともよろしくお願いいたします!
by たいせい (2008-04-12 09:05) 

夢空

いつも内容の濃い記事で、考えさせられる内容です。
また、道路特定財源についての記事でのコメントありがとうございました。
貴重なご意見、こういう国民の声が反映されないのが残念でなりません。



by 夢空 (2008-04-12 10:11) 

たいせい

 夢空さん、道路特定財源については死闘間の意地や建て前のみが先行していて、論点の知りすら行われていない中で何崩し的に物事が動いている感じを強く持っていて、思わず理屈先行のコメントを付けてしまい失礼いたしました。
 小泉首相時代には与党側から一般財源化の議論が出ていたにもかかわらず、その時は一顧だにしていなかった野党がなぜ自らの政策として大手を振るって言い出しているかすら、私には良く理解できていません。
(その時は与党側の事情で旗を降ろしたのですが、今更こんな過激なやり方をするのなら、その時にもう少し議論を進めておいて欲しかった...。:時事ネタはあまり好きではないので落ち着いた頃に、この件の記事もいずれか書くかもしれません。)

 nice! &コメントありがとうございます!
by たいせい (2008-04-12 17:46) 

こう

 日本という国が価値ある国で有り続けるために、どんな家を作るべきなのか、もう一度よく考えて欲しいです。
 せっかく、材料も技術もあるのに、家を建てるほどお金のある人が、陳腐な家を建てるのはおかしいです。
 美しい瓦屋根のどっしりした家を建てましょうよ。
 食育+住育が今後の日本の大きなテーマですね。
by こう (2008-04-12 21:35) 

まーきん。

たいせいさん、
いつも私のブログにばかりコメントいただいていて、心苦しく思っておりました。余裕の無い時は、自分以外の書かれたものを読んで理解する能力が消えうせてしまうものなのですね。。。

少し前に、私も三澤社長の提唱されているHABITA構想について、エントリーさせていただきましたが、本質的な意味での“200年持つ家”を考えると、たいせいさんのおっしゃるとおり、屋根の重要性を無視しては実現不可能なことですね。

ただ、この200年住宅構想は、唐突ですけれどその趣旨に、それほどの政治的意図は乗っていないように、個人的には感じられるのです。巷に発表されている200年住宅構想に関する資料を見ても、私程度の知識ですけれどどこか現存する特定の団体や業者に対して利益誘導となるものが、正直見えて来ないからです。

ですので、どちらかというとこの200年住宅構想は、「上手く付き合ってゆく」のが良いんじゃないかな?なんて考えたりしております。

今のプレハブ住宅一辺倒の流れに、一石を投じることが出来る内容だと思うので。。。
by まーきん。 (2008-04-13 20:45) 

しょうたく

藤岡瓦気がつきましたか。審査員で気に掛けた方はいませんでした。
三大産地だけが名前が残って、地場瓦はだいぶ減りましたから当然ですが。
関東では藤岡と茨城の瓦がよく使われていたようです。
高度成長期からは三州がほとんどになってしまいますが。

これからの社会、緩やかな成長をするなら、
地産地消で地場の産業をゆっくり復興するのが大事と思います。
その思いも込めて藤岡瓦と書き入れました。
ご存じかもしれませんが。
藤岡は結構頑張っていて、能瓦を改良したり達磨窯を復興しています。
後押ししたい瓦産地でもあります。

200年住宅事業については色々思うところもありますが、
文句を言うより乗ってみようと考えています。
選考に残る波動かは解りませんが進展したらご報告します。


by しょうたく (2008-04-13 23:26) 

たいせい

 こうさん、いただいたコメントに力をいただきました。
 まだこの「200年住宅」というのが、実際にどんな推移をたどることになるのかはよく解りませんが、国の政策が低コストの家で「国民全てに持ち家を」という政策から「本来の家のあるべき姿」への方向転換で有ることに間違いはなく、一部の人のみの動きに留まるのではなく広く住宅業界全体の志向性やお施主様の購買行動の変化へ、続く道であって欲しいと思っています。
 「住育」という言葉も、美しいですね!

 nice! &コメント、ありがとうございます!
by たいせい (2008-04-14 09:17) 

たいせい

 まーきんさん、先週国土交通省から第一回の募集要項が出てきました。
 これを見る限り、審査主体は独立行政法人建築研究所に設置された学識者による評価委員会で、あまり政治的な意図の感じられるものではないとの印象を持ちました。(最終的には結果判断になりますが)
 ただ、ハウスメーカやプレハブメーカが主導権を握る住団連などの小冊子などを見ると、本文でも紹介したように確かな建材を使うことを前提としない表記なども見受けられ、自分自身もいまだ確とした評価はできていないというのが正直なところです。

 ただ仰るように、低価格な家で国民全体の持ち家の充実を図るという観点で行ってきた住宅行政が、前々回の建築基準法改正時に打ち出されはじめた「建物の品質確保」「性能表示」をとっかかりにして「質の充実」の観点に動き出しつつあるのを感じ、何とかこの期運を自分のこととして捉えてゆきたいとの思いを持っています。

(コメントさせていただいた時と今とでは、その後の自分なりの情報収集もあって少し考え方が変わっています。 ただ、ここの所出される国の政策からは悪い影響を感じることが多く、記事に書くとこんな論調になってしまいますが。)

 nice! &コメント、ありがとうございました!

PS.
 余裕のあるときにだけコメントを付けてくださるという形で結構ですので、どうぞお気になさらないでください。
 忙しいのは承知していますので、記事を読んで元気にやっていらっしゃる様子を垣間見られるだけでも、私としては満足です。
by たいせい (2008-04-14 10:08) 

たいせい

 しょうたくさん、全国各地にある地場の瓦の産地を駆逐して今の三州瓦があるのだと言うことに気付き、ハッとしたことがあります。
 各地に出張した際に昔の古い建物などを見に行くのは私の楽しみの一つなのですが、ほとんどの瓦は今では手に入れることが出来ず残念なことだと思っています。
(瓦のみ成らず、土地土地の様々な産品が蔑ろにされ滅び、全国一律の製品やサービスが蔓延してきたのと同根なのでしょうね。:今は三州の産地内でも和瓦が滅びつつあります。)

 200年住宅については前のコメントでも書きましたように、これを一つの契機として捉え、今の価格優先の住宅業界が少しでも変わるように私の方でも出来ること流行ってみたいと考えています。
 また、小沢山の取り組みも、楽しみにしております。

 追加コメント、本当にありがとうございました!
by たいせい (2008-04-14 10:18) 

nina

建築のことはサッパリですが、200年住宅ってのはスゴい話ですね〜。
大黒柱に建築者の名前を書き残したりするんですか?

by nina (2008-04-20 22:23) 

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