瓦を外構で使ったら?(庭・ガーデニング・坪庭・空間演出) [屋根には「瓦」]
前の記事で、国内の瓦生産の6割を超える三州瓦の中核拠点である「我が街高浜」の近郊にある東端(安城市)西端(碧南市)を家族で歩き、日がな一日を過ごしたという記事を書かせていただきました。
個人宅開放「チューリップ祭り」&東端・西端の屋根・外構-プロローグ:山本大成 「かわら屋の雑記帳」
http://kawaraya-taisei.blog.so-net.ne.jp/2009-04-16
今回の記事ではその記事よりの派生で「瓦のガーデニングでの使用」についてと、地元で瓦の外構などへの使用についての展示があるそうなのでその紹介、そして施工例のあるHPの紹介記事とさせていただきます。
(ひょっとしたら、次に風切り丸や鬼瓦についての続々編も書くやもしれません。)
外構での瓦使用
例
今回の記事を書こうと思い立ったのは、上の写真のような瓦の使用例を家族での散歩の際に見つけたことによります。
実はこの種の使用例は意外と多く、屋根から降ろした瓦の再利用方として昔から一部では結構頻繁に行われていましたし、最近では瓦の新しい市場として着目した何人かの人たちが積極的に取り組んで専用の瓦を作ったり、新しい瓦を使った大がかりなオブジェクト作りなども行われる様になっています。
まだ私自身写真の整理があまり出来ておらず、写真ばかりが多くあまり纏まった記事とは出来そうにありませんが、何かの参考になればと思い書かせていただきます。
名鉄三河高浜駅-西ロータリー
中部国際空港(セントレア)
まずは大物ですが、大きなオブジェクトとしては上で紹介したような使用例があります。
愛知万博の際にも幾つかの瓦を使ったオブジェクトが空間を飾っていましたが、これについては私の方に写真が残っておらず現在写真の入手中です。
愛知県陶器瓦工業組合前-坪庭
もちろんこれらは大規模なものだけではなく坪庭など用に小振りに作ることももちろん可能で、瓦関係者の事務所前や自宅、店舗などの室内空間に設えられた坪庭は思いの外多くあります。
これらは三州瓦の展示会などの際に仮設で作った坪庭なのですが、瓦が空間演出用の部材として見事に息づいている様子がわかるのではないかと思います。
花壇などでの使用例
もっと単純にガーデニング用の部材として考えた場合にこんな使い方も出来るのが瓦で、花壇の仕切りとして考えた場合にも腐ることなく、年月の経過により最終的には土に帰る瓦というのは有力な部材ではないでしょうか?
石や土と組み合わせて通路の仕切りとして使うのも、非常に有力な使い方だと思います。
(左の写真は無我苑の庭園。中と右は、何かの本からスキャンして取り置いておいた写真です。)
断面の独特な形状を生かせば、こんな通路の演出も可能になりますし、もちろんこれらは壁に埋め込んでも特異な雰囲気を醸し出します。
側溝や土留め・段差の処理にはこんなパターンも良くあるケースです。
特に右側は、耐え換えや葺き替えなどで屋根から降ろした廃瓦の利用法として、昔は良くやられていたようです。
特に凝ったことをしなくとも、庭の一角に鬼瓦や飾瓦を据えるだけでも庭の印象へ一変します。
古い鬼瓦が入手できるのでしたら、是非庭石の代わりに庭に置いておくだけで特異な存在感を感じる雰囲気のある庭となります。
(古い鬼瓦などは、室内の空間演出用のオブジェクトとして使っても面白いです。)
左側の写真はよっしーさんのBLOGから引用させていただきました。(よっしーさんは鬼師です。)
2009-04-22:よっしぃーのなんだかんだ:So-net blog
http://yoitoko.blog.so-net.ne.jp/2009-04-22
伊勢神宮門前町-おかげ横丁
この壁も元々は廃瓦を利用して壁を長持ちさせる古人よりの智恵から始まったことだと思います。(壁を流れ落ちる雨水が水滴となって瓦端から落ちることで、壁本体を長持ちさせます。)
職人の智恵、恐るべし!
無我苑
また応用編としてはこの写真のように、水を張ったプールの下に瓦を敷き詰め空間演出とするケースなどもありました。
写真はありませんが他にも近江八幡市の瓦ミュージアムや他の施設などでも多くの印象に残る瓦の利用法を見た記憶があります。
まだまだ私の知らない瓦の利用法も多くあるでしょうし、瓦の形状や素材としての特質を生かした利用法の可能性も非常に広いと感じています。
近江八幡(滋賀県)の瓦ミュージアムの写真がないのが本当に残念です。
古い街並みが残る中に溶け込んだ、蔵のような外観のミュージアム。瓦を使ったオブジェクトや外構が辺りの雰囲気に溶け込んでとても素晴らしい空間でした。
かわらミュージアム~はちまん瓦~
http://www.80000.jp/kawaramuseum/かわらミュージアム 建築マップ
http://www.archi-map.jp/over/nakajima/kawara/index.htm近江八幡 日牟禮(ひむれ)八幡宮~瓦ミュージアム-わくわく旅日記・目次
http://tabinikkidesuyo.web.infoseek.co.jp/oumihatimann050217kawara.html
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「飾瓦(インテリア・エクステリア・ガーデニング)展」
本来この記事を書いたタイミングとは関係ないのですが、たまたま今週末より瓦の外構での利用についての展示が高浜市にある三州瓦工業協同組合二階ギャラリー「我羅里ibushi」で行われるようです。
興味のある方は是非観に行ってください!
「飾瓦(インテリア・エクステリア・ガーデニング)展」
場 所:「我羅里ibushi」
愛知県高浜市青木町六丁目2番地13(三州瓦工業協同組合事務局の2階)
TEL:0566-53-1420
ウォーキングトレイル「鬼みち」の起点で、名鉄三河線-高浜港駅徒歩1分期 間:平成21年4月25日(土)~5月24日(日)
三州の匠が手掛けた「飾り瓦」オブジェの逸品から、
いぶしKAWARA素材を生かした、
インテリア、エクステリア・ガーデニング・グッズを多数展示します。ガーデニング・エクステリア用の大物から、
オリジナルの小型ポットに山野草などを植え込んだミニ盆栽など、
インテリア用の癒しの小物も多数展示します。
お気に入りが見つかれば、購入する事もできますので、
興味のある方は、一度覗いてみてはいかが・・・
この文章は若手鬼師(鬼瓦職人)の会である「若鬼士会」のBLOGより、転載させていただきました。
三州鬼瓦製造組合・若鬼士会 [我羅里ibushi] イベントのご案内
http://wakakishi.sblo.jp/article/28449537.html現在の展示風景-三州瓦工業協同組合【我羅里ibushi】HP
http://www.sansyuu.net/shop/gallery/gallery.shtml
この種の瓦(とくに廃瓦)の外構での使用は、産地である私の地元高浜でしか行われていなかったことではなく、意外に多くの地域で昔は行われていたことのようです。
ただ実際のところ、現在この記事を読んで瓦を外構で使いたいと仰られる方がいらっしゃった場合に、材料である瓦をどうやって入手するのか?と言うのが一つの大きな問題のような気がします。
今回の写真で実際に使われている瓦の大半は、通常の屋根に葺かれているものとほぼ同じもので全国の屋根工事店から入手することが可能ですし、古瓦であれば建築関係者であれば解体業者にあらかじめ話をしておき、瓦葺きの建物の解体の際に少しストックをお願いしておくというのも一つの手段であろうと思います。
(入手が難しそうな場合には、私の方までお問い合わせ下されば一応全国ネットの商売をしていましたので、商売抜きで紹介させていただけるケースもあります。その場合、気軽にコメントしてください。)
瓦の断面を生かす施工の場合、瓦の高さ分だけ掘り下げ埋めることになるのですが、30cm近くを掘り下げることにもなりなかなか大変なので瓦を1/3程度の高さに切って施工を簡単にする方法が採られる場合も多いと聞いていますが、外構用の瓦としてあらかじめ短く作った専用の瓦を生産しているメーカーもあります。
これらメーカーのHPには施工例の写真なども載っていますので、この場を借りて紹介させていただきます。
(目についた施工例のある施工業者のHPも紹介させていただきますので、何かの参考になればと思います。)
ガーデニングに瓦素材を:瓦庭園(カネリ製瓦)
http://www.katch.ne.jp/~kaneri/gmenu1.html瓦タイル KNR-「我羅里ibushi」三州瓦工業協同組合HP
http://www.sansyuu.net/shop/shop5/kaneri03.shtml
建築建材展2009 三州瓦ブース見どころ|三州瓦メーカー山平の瓦ブログ
http://ameblo.jp/yamaheikawara/entry-10217544462.html玄関にも瓦でエモーショナル|三州瓦メーカー山平の瓦ブログ
http://ameblo.jp/yamaheikawara/entry-10246963497.html施工店さんの事務所にて・・・|三州瓦メーカー山平の瓦ブログ
http://ameblo.jp/yamaheikawara/entry-10219889652.html
エクステリア - EARTH WARE 大地の生命力
http://blog.goo.ne.jp/nano0708/e/9ac24dcaad8e5149b7187a3c9be9e506
あわじオープンガーデン公式サイト - ブログ いぶし瓦とガーデニング by jun
http://www.aog21.jp/xoops/html/modules/wordpress/index.php?p=50
瓦の庭園-福原商店 姫路営業所
http://www.fukuharashoten.co.jp/cgi-bin/dfbbs02/index.cgi?word=%b4%a4%a4%ce%c4%ed%b1%e0
遊瓦 | 三州瓦 窯元直営【マサヨシNET-SHOP】
http://www.masayoshi.co.jp/shop/sp/sp1.cgi
松本瓦興業株式会社 瓦でガーデニング
http://matsumotokawara.blog41.fc2.com/blog-entry-3.html
長野県松本市 瓦葺き替え 瓦屋根工事修理 株式会社谷崎
http://www.tanisaki.jp/pc/case.html
当社の取り組み-株式会社マルエイ
http://www.marueiroof.com/approach.htm
親瓦の上に子瓦が・・・-日比谷駅-レッツエンジョイ東京
http://www.enjoytokyo.jp/id/junviva/8754.html
(これ、ちょっと気に入ってしまいました!)
※※ 散文的なまとまりのない、非常に長く重い記事になってしまい恐縮です ※※
(いずれ機会を見つけて、分類整理した記事を書きたいと思います)
PS.
いつの間にか60万ページビューを越えていました。
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>腐ることなく、年月の経過により最終的には土に帰る瓦というのは
有力な部材・・・
へーっ、と思いながら拝見しました。
まったく瓦とは思えない素敵な使い方もあるんですね。
ビックリしました。特に通路の写真、いいですね。
おっしゃるように木杭よりは、はるかにエコですよね。
まあ木も土に還りますが、こっちが長持ちするぶん優れものですね。
by toyo (2009-04-24 00:57)
瓦のアートギャラリーに来たようで、
楽しく拝見いたしました。
一軒家で屋根瓦を使うお宅が減っているので、
こうしたチャレンジで瓦の新たな使い方が
出たらいいなぁと思います。
話は変わりますが、
立夏君が元気で、きょうだい仲よく保育園に
通えてて良かったですね。
私も30数年前に、
立夏君と同じ病気になったことがあったので、
気になっていました。
今は後遺症もなく、健康なので、
献血で少しでも川崎病や他に困っている方たちの
お役に立てたらと思います。
by 小春猫 (2009-04-24 06:43)
☆かわらって、奥が深いんですね!
by ijimari (2009-04-24 08:38)
toyoさん、瓦は屋根材としてだけではなく形状を生かすことが出来るとたった一枚の瓦でも何とはなしに「和の雰囲気」を醸し出す、面白い材料だと感じています。
元々が土で出来たものなので長い年月を経れば土に帰る材料でもあり、もっとこんな利用法が広まっても良いのではないでしょうか?
(多量にあると産廃扱いになってしまい、処理に苦慮しているのも実態ですが。)
一人でも多くの方にこんな利用法があるのだと言うことも知っていただきたく、記事を書きました。
nice! &コメント、ありがとうございました!
by たいせい (2009-04-24 09:11)
小春猫さん、瓦の面白さを知っていただきたいのと、出来るだけ多くの方に素材である瓦を間近で見る機会を増やして欲しい思いでこうした事例の紹介をやってはいますが、到底出荷減には及ばず需要の大勢自体にはさほど影響無さそうな気がします。
特に一般向けの屋根材として瓦製造しているものには、よほどこの用途が広がったとしても量的な影響はほとんどないでしょう。
ただし現在苦況に喘いでいる鬼師の方達や、手作りに取り組んでいらっしゃる方達には、かなりのインパクトをもたらす可能性があります。
まあ ある意味空元気ではありますが、和瓦の製造販売に関わってきた者として、日本建築の一部を担ってきた者の一人として、今の建築の志向変化に微力とは知りつつもやれる事をやっておきたいというのが本音です。
長男の病気についてなのですが、退院後の二度の診察でも後遺症等の異常は今のところ見つからずアスピリンの投薬も終わりになり、親としてホット胸をなで下ろしているところです。
小春猫さんが発病された30年前というと今のように治療法がまだ確立した時代ではなく、入院も長く大変だったかと思いますが、おかげさまで今は保育園などの先生方の理解も進んでいるようで、特別視される事もなく退院後は他所の子供達と一緒に駆け回って遊ぶ日常が復活しています。
ご心配いただき本当にありがとうございます!
なお私も先日運転免許の書き換えで件の運転免許センターに行った際に献血の申し込みをしたのですが、普段飲んでいる薬の影響でじぇんけつさせていただけませんでした。
ただし朝薬を飲まずに献血に行けば良い事を教えていただきましたので、最低限長男に投与していただいた血液製剤の分のお返しをしたいとの思いを持っており今後献血を行っていきたいと思いますし、長男自身や長女・次男にも「沢山の人からいただいた血液のおかげで病気が治ったのだから、お返しをしなくてはいけないし、献血をすれば沢山お人が救われる」という事を教えていきたいと思っています。
(長男の投与されたガンマグロブリンは、薬剤師の方にうかがうと献血30回分だそうです。先はまだまだ長いです...。)
コメント、ありがとうございました!
by たいせい (2009-04-24 10:29)
ijimariさん、最近実際に施工される例では店舗内の一角に坪庭的に使われ「和の雰囲気」を醸し出す例なども良く目にしています。
また通路の瓦の写真のイメージを垂直にして壁に埋め込んだり、立体的に重ね合わせてオブジェクトのように使ったりする事例なども幾つか出始めているようです。
お洒落な店などに予備知識無くはいるとワンポイントでそれと無しに瓦が使われていたりして驚いた事も何度かありました。
瓦にはこんな使い方があるのだという事を覚えておいていただいて、お仕事の中ででも機会があったら是非使ってみていただけると嬉しいです。
nice! &コメント、ありがとうございました!
by たいせい (2009-04-24 10:45)
たいせいさん、獅子の写真を使っていただいてありがとうございました!
今回のブログの記事を見て、私も見たことの無いエクステリアが結構あってとても勉強になります。こういう使い方が、もっと波及すると瓦の需要が増えるんだろうけど、私たち(瓦製造業やそれにかかわる人たち)が積極的にPRしないといけませんね。
ついでなんですがちょっとPRさせていただきますと、私の所属します「三州鬼瓦製造組合青年部 若鬼士会」は6月20日21日の二日間、刈谷市の刈谷ハイウェイオアシスで鬼瓦職人展を去年に引き続き開催します、鬼瓦はもちろん、インテリア・エクステリア商品も展示予定です。
地道な活動ですが、この活動が実を結ぶ日を心待ちにしています。
瓦を扱う仕事をしていても、色々な和瓦を並べて感じの良いガーデニングはできません、もっと積極的に使わないといけませんね~。鬼瓦を作る仕事をやっていますので、庭に古い鬼瓦や飾り瓦を置いていますが、屋根の部材としての瓦から、新たに観賞用としても認知していただくとありがたいです。
都会の真ん中に、瓦を使ったインテリア・エクステリアがあったりすると、私も感動します。
他産地がこういったことに、かなり力を入れているのに対し、三州がいまひとつなので・・・どうしよう
by よっしぃー (2009-04-24 12:18)
長年家に関する工事を請け負っている中では、何度か「和瓦」を使ったことがあります。しかし、これほど見事な物ではなく花壇との境界だとか、玄関前のアクセントだとかに、古い瓦を使っただけです。
今後は外構にも使えるよう、カタログなどを整備されて啓蒙されるといいと思います。(もしかしたら、もうあるのかもしれませんが・・・)
造園屋さんはたまに使いますが、まだまだ外構屋さんは、瓦を使っていませんから^^
by アキラ (2009-04-24 15:51)
よっしーさん、これが非常に重要な点だと思っているのですが、「エクステリアに瓦が使いたい。そしてそれに合うように屋根も和瓦で葺きたい」と言うところまで行かないと瓦の需要回復に外構分野でのPRが貢献することはまずあり得ないと私個人は考えています。
但し「屋根の上の瓦から、身近なところにある瓦」になり多くの方が瓦に関心を持つようになる可能性はあり、その点での有効性は多少あるやもしれません。
しかしその場合でも、形の面白いオブジェクト(造形物)としての関心に留まり、屋根材としての瓦の価値にまで届く状況は想定しづらく、その意味で私のようなトンネル窯のメーカーは積極的に広報する状況は起こらず、やはりよっしーさんのような業界の方達が前面に出て単独で事業を成立させるための試行錯誤を繰り返していく以外に方法はないと思います。
(単窯であればこのマーケットに特化したり、少量多品種の生産体系の中で十分採算に乗せられる可能性があるわけですから)
淡路の方たちが積極的にこの分野に手をつけた背景にはこのあたりの要素が多分にあり、元々単窯の方達が自らエンドユーザーと接触する場面も多いという特徴を持った産地であり製造形態ですので、比較的この分野に出ていくのが容易だという要素があったのではないでしょうか。
(三州でもそんな要素を持った窯元が取り組んでいますが、残念なことに数は淡路ほど多くありませんが。)
ただエクステリアとしての瓦というのはそんなに筋の悪いものではなく、また関東という大消費地を押さえている三州ですから、採算性のある事業に出来る可能性は十分にあり、関係者の頑張り次第でいくらでも化けさせることの出来る分野です。
しかしながら当面は、係わりたがっている方達全てが潤うという事はあり得ず、出来るだけ少人数の方達が結集して単独での事業成立を期す覚悟で取り組まなくてはなかなか上手く行かないと思います。
淡路の場合は事業主体が明確で、自己責任の覚悟も含めやっていらっしゃる方の主体性が感じられますが、私が見る限り三州ではそれがあまり感じられません。
少なくともこの件については三州瓦販売の主体であったトンネルメーカーにあまり多くのことを期待しても当て外れになることが目に見えており、販路も恐らく通常の瓦ルートとは異なりますので、黒瓦の組合や積極的にやりたい方単独での周知活動が出来るかどうかに掛かっているのではないでしょうか?
(恐らく黒瓦の組合でも、組合としての活動では上手く行かないと思います。事業主体をハッキリさせない限りどんな筋の良いものでも上手くいきっこありません。ある程度需要が大きくなった段階で、仲間は「結果として」広がっていくものです。)
鬼瓦職人展の件了解いたしました。
私の方のBLOGでも記事を書く余裕があれば周知記事を書くかもしれませんが、皆さん方が行きたくなるような周知情報(様子など)がネット上にあると書きやすいのですが、どなたか書きそうな方はいらっしゃいませんか?
三州の現況について憂える気持ちから、あえて辛口のコメントになってしまい申し訳ありません。
瓦を愛する気持ち、三州瓦についての思いは、トンネルメーカーだろうと単窯メーカーであろうとも同じ気持ちだと思っています。
何とか一人でも多くの方達に「瓦の素晴らしさ」を知っていただきたい思いで一杯です。
nice! &コメント、ありがとうございました!
by たいせい (2009-04-24 16:05)
アキラさん、あまり自分の会社では積極的に関与できていなかったこともあり、実際に問い合わせいただいても適切なアドバイスが出来る自信が無く、これまであまり記事に出来ていなかった分野でした。
ただ目を惹いた物件の写真だけは収めてきていましたので、この際一挙公開とこの記事を書いた次第です。
仰るように外構での瓦使用という点ではマーケティング的にまだほとんど手つかずの状況で、何社かが取り組んでみてはいるものの、外構業者にすらほとんど知られていない存在だと感じています。
今のように建物がほとんど建たず、瓦の出荷が落ち込んでいるときだからこそ出来る新規分野の開拓というのは当然あり得るわけで、国内全域を相手としてきたうちのようなトンネル窯メーカーだからこそ出来るお手伝いというのもあり得るわけで、関心を持って産地内で話をしてみようと思います。
nice! &コメント、ありがとうございました!
by たいせい (2009-04-24 16:25)
確かに鬼瓦とか飾り瓦が気に入って、屋根に和型の瓦を葺く人は少ないかもしれません、そして、住宅を建てる年齢層をみてもモダンな洋風建築に魅力を持つ人は今後も多いと思います。(ハウスメーカーのプレゼンの上手さもあるかな?)
この状況を打開するのは至難の業かもしれません。
ただ、業界全体がこの流れをいかに和風に持っていくのかは、今後の活動しだいだと思っています。
一般住宅に和風が好まれない現状を見ても言えることなんですが、日本人の最近の本質に絡んでくる問題ではないでしょうか?
良い物は取り入れる、また外国製品への憧れなど、戦後の高度成長期に外国かぶれした親の二世の私たちアラフォー世代が今の感覚になるのは否めないと思います。
余裕のある?団塊の世代が古きよき文化を心の安息として第二の人生の形として和風のエクステリアを取り込んで表しているような感じがします。(これってすごい偏見かも知れませんが)、そして我々団塊二世もDNAの中に刷り込まれた、いいものだな!と感じるところがあると思うんです、違っていたらすいません。
瓦産業に従事する我々が、「個」でなく「塊」で挑んでゆけば、たいせいさんが言うように化けると思います。(なってほしい・・・)そう言っている私の責任でもあります(泣)。。。
微力ながらがんばります、本当に!
淡路の瓦メーカー(単窯やってるとこ)が頑張ってやってやっているのは、やはり”いぶしに”特化しているからではないでしょうか?三州では陶器瓦メーカーが多いことから少数のしぶしメーカーが違う方向性の模索する気持ちが少ないような気がします。(エクステリアに関してですが)
三州ではまだ淡路ほど追い込まれていないのか?それともこの地域独特の気質なのか?
すくなからずも感じている、しかし動かないだけなのか?
なんにしろ、人生の最大の買い物となる「マイホーム」はよく吟味して、購入しなくてはいけないし、子どもたちのいい思い出となる、いい家にしてあげたいものですね!
刈谷ハイウェイオアシスで去年やった展示会の様子は私のブログで紹介してみたいと思います、こころもとないですが。
たいせいさんのからくちメッセージありがたいです、私はこういった言葉キャッチボールをすることで、自分の考えを明確にすることが出来ますし、今後の筋道が出来てきます。
PS、いかんせん文章能力が低いので、思ったことが上手くつづれませんが、感覚で感じ取っていただけたら幸いです。これも勉強!!
by よっしぃー (2009-04-24 23:23)
「へー!」「はー!」「ほー!」と見入ってしまいました。
瓦を取り入れることで空間がより味わい深いものになりますね。
参考にさせていただきます!
by 前太 (2009-04-25 10:21)
屋根から降ろした瓦の再利用という方法があるのですか。
庭の装飾の写真はどれも素敵ですね。
ウチでしたら花壇の縁取りに使いたいところです。
by kappa (2009-04-25 13:55)
瓦の利用可能性は無限大ですね。
丈夫なところがメリットかと思いました。
でもやっぱり、波型が作る動きがいいです。
by こう (2009-04-25 16:56)
よっしーさん、前のコメントの前段で外構での瓦の採用が屋根材としての瓦志向とは必ずしも結びつかないのではないか?と書いたのは、あくまでも個別のトンネル窯メーカーがビジネスプランとして成立するとの経営判断を行い営業網を使って積極的に啓蒙普及活動をする状況が考えづらい理由として書いたつもりであり、意義について否定するものではありません。
ただ現実この種の論争は水面下でうちの組合の方でも起こっており、三種の共有財産としての和瓦の復興を行おうとした場合に、既に量的には過半数を超えた平板を攻撃正面と捉えた大手総合メーカーの賛同がなかなか得られず、各社がそれぞれ製品として持っているはずの和瓦ですら共同歩調が取りにくい現実を目の当たりにしており、共同歩調なり、皆が塊となって周知に努めるというのは砂上の楼閣ではないか?とこれまで十年の経験の中からまず上手くいかないのではないかと思っています。
まず単独の企業なり数社の補間関係を持ったグループが、顔の見える事業主体としてビジネスを成立させないことには継続的に行える事業とは言えず、尻すぼみに終わってしまうと感じています。
誰かが事業を成立させればそれを真似する人が現れ結果として組合ぐるみの活動になるのであって、組合単位で動いて引き合いが出たとしても係わっている会社数が多ければ一社一社への仕事の配分は少なくなり誰一人としてビジネスとしては成立せず、ノウハウの集積も行われず、いつの間にか消え去ってしまうのが現実でしょう。
その点をカバーしようとするのならば、関係者の理解の元に情報が特定の人に集中させるなどして「顔」を作らなくてはなりませんし、それが主体性を持つと言うことだと思います。
淡路の方達の取り組みにしても、今はある程度ビジネスとしての形になっていますから何とでも言えるわけですが、屋根瓦とはマーケットも異なり(お客も流通も全く違うはず)、どんな製品を作ったら使っていただけるか?のノウハウも全くないところから、身銭を切りながら血を吐く思いで試行錯誤しながら進められた結果現在があるのであり、単純に「本いぶしに特化した産地だから」と評されるのは恐らく不本意なのではないでしょうか?
すくなくとも外構でそれなりに成功していらっしゃる方達は、個人として瓦業界の中は勿論様々なところに積極的に出ていらっしゃり明確に「顔」を持った方達であり、だからこそ「需要創造」という製造メーカーとしての醍醐味を味あう事が出来たように思っています。
そしてそんな方達であれば、たとえ事業をしていたのが淡路ではなく三州であったとしても、必ず出てくることが出来たはずです。
業界に対して利害関係が無くなりつつある私だからこそあえて言える事でもあるのですが、三州と淡路の違いがあるとするならば「新進の気概」のみではないでしょうか?
(業界の環境としてはよっしーさんが仰るような淡路に有利な要素はあるやもしれませんが、三州に有利な要素もちゃんと存在しています。)
ましてや淡路の方達のおかげで幾つものひな形とビジネスプラン自体成立することは実証されているわけであり、営業エリアの異なる三州としてはただ勉強させていただいて、やるのみだと思います。
そしてそれは淡路の方体に対しても、相乗効果による援護射撃にも成るはずです。
宝くじは、売り場の前であれこれ考えているだけでは絶対に当たりません。
まずは買うことだと思います。
今回更に辛口になってしまい申し訳ありませんが、「こうあって欲しい!」「こうあればよい!」という夢の話ではなく、ビジネスの話として書かせていただきました。
うちは「防災瓦」などの付加価値のある瓦について、主体性を持って他に先駆けて走ってきたつもりでいます。
もしも単窯メーカーや鬼の世界にいたら、これだけ筋の良さそうな商材が手の内になるのであれば当然主体性を持って走っていたと思います。
再度のコメントありがとうございました!
失礼な展も多々あったかと思いますが、三州瓦に対する愛情からでた激励だと思っていただければ嬉しく思います。
by たいせい (2009-04-26 01:20)
前太さん、まだ写真が未整理で雑多な記事となってしまいお恥ずかしい限りですが、何かの参考になるのであれば大変嬉しく思います。
もし実際に使えそうな状況がありましたら、気軽に声をかけてください。
材料の入手方や、具体的なデザインなど、経験のある人を紹介できる可能性があります。(商売にするつもりは元よりありませんのでご安心を)
nice! &コメント、ありがとうございました!
by たいせい (2009-04-26 01:26)
kappaさん、今回紹介した写真の中に我が家の庭のものが一点もないのが心苦しいです。
とりあえず花壇の外縁など、やれるところをやってみなくてはと言う気になってきました!
nice! &コメント、ありがとうございました!
by たいせい (2009-04-26 01:28)
こうさん、私自身こうした外構での採用例を見るまで気づいていなかったのですが、本来「瓦」は屋根材としての機能素材でオブジェクトとしての「デザインが成されているわけではないのにかかわらず、「瓦」は単独でも何かを感じさせる素材でした。
断面の波形一つとってみても、洗練されていてため息が出るほど美しく感じます。
もっと意外な利用法などもあるかもしれませんね。
nice! &コメント、ありがとうございました!
by たいせい (2009-04-26 01:33)
瓦の外構きれいですね。
京都に行ってから瓦のデザインの多さを知り、興味を持っていましたが、かわらミュージアム知りませんでした。
機会があれば、ぜひ行ってみたいです。
by そら (2009-04-26 16:31)
古い瓦の再利用として時々見ますね。あまってるから使ってるのかなって感覚でしたが、うまく使えばいい雰囲気が出でますね。
遅くなりましたが、前回の身延の五重塔、書き忘れてましたが、渋い赤で新築とは思えないほどでした、周りとかとの調和を考えたのかもしれませんね。
by スミッチ (2009-04-27 00:22)
そらさん、近江八幡は滋賀県なのですが八幡瓦の産地だったという歴史を生かしてかわらミュージアムだけではない景観事業が展開されて、一度行ってみる価値が十分ある街です。
我が家の場合、妻の理解がなかなか得られそうにない雰囲気ですが、隙を見つけて家族で行きたいと思っています。
nice! &コメント、ありがとうございました!
by たいせい (2009-04-27 22:08)
スミッチさん、近所では衣浦グランドホテル内の日本料理店に瓦の坪庭が使われているようです。
最近、都心や大都市のお洒落な飲食店の一角に瓦を使ったオブジェクトや坪庭が設置されるケースが出始めており、私たち地元の人間よりもそう言った遠い地域の方の方が瓦に対する評価は高いようです。
丹塗りの件ですが、他でも新築であるにかかわらず渋い赤で彩色された例を聞きました。
伽藍の全てに丹塗りが施せるのならばよいのでしょうが、一棟だけだと渋く施工されるのかもしれませんね。
nice! &コメント、ありがとうございました!
by たいせい (2009-04-27 22:16)
こういう使われ方をしているのは見た事があるようなないような・・・
瓦のアールを使ってお洒落に仕上げるのもいいですね!
by nina (2009-04-27 23:21)
なるほど。解体時の再利用が一番良さそうですね。
勉強になりました。
でもこういう使い方のできるお家となると、
やはり大きい土地のオーナーでしょうか?
がんばります(笑)
by plusgate (2009-04-28 15:46)
ninaさん、私も最初にこれらを見たとき「瓦の断面というのは何と素晴らしい局線なのだろうか!」と感じました。
元々、立替などで屋根から降ろした瓦の再利用でこの種の事がやられていたことはあるようですし、ninaさんの辺りでしたら積極的に展開していらっしゃる産地である淡路のお膝元ですので、どこかしら見られたことがあるかもしれません。
瓦個体のCADデーターを持っていますが、デザイン用途で何かに使えそうであれば提供しますがいかがでしょうか?
nice! &コメント、ありがとうございました!
by たいせい (2009-04-28 23:44)
plusgateさん、必ずしも敷地が大きくなくともやれる方法はあると思いますが、精神的・予算的に余力がないとなかなかこの手の物を考えようとは思えないでしょうね。(ワンポイントとかでも、それなりに存在感のある方法があります。)
出来れば多くの方の目に触れるようにして、お施主様なりの拘りのポイントとして上がるようになると素晴らしいとは思っているのですが、本業の瓦の方ですらお施主様に情報を届ける難しさに悪銭苦闘していますので、ルートの違うこれを広めていくのはしんどそうです。
nice! &コメント、ありがとうございました!
by たいせい (2009-04-28 23:57)
この瓦灯ってのは本当に暖かく周りを照らしますね。私は本当に好きなんです。
お客様のお店の開店祝いに送ったことがあります。横浜のお店なのですが・・・来店する方に絶賛されているようです。
1度見てこないといけませんね。
by STEALTH (2009-05-09 21:54)
STEALTHさん、最近店舗やちょっとした事務所の外構(瓦関係者だけかも?)に、瓦素材を利用するケースが本当に増えていると感じています。
店舗などで利用していただくと多くの方の目に触れる機会となり、少し普及に弾みが付くかもしれません。
是非贈答品には瓦素材のものか、妹が生産している碧南の胡蝶蘭をお願いします。(自爆!?)
nice! &コメント、ありがとうございます!
by たいせい (2009-05-09 23:14)